
不正会計が相次ぐ中、上場維持を目指す企業にとって最後の頼みの綱とされるアリア監査法人。いわば“駆け込み寺”として知られるが、そのアリアから監査法人を変更する企業が急増している。監査法人側の姿勢や企業側の事情が交錯する中、実態はどうなっているのか。
アリア監査法人は過去に不正会計を起こした企業の監査を積極的に引き受け、上場維持を支援してきた。しかしその姿勢は市場で賛否を呼び、一部では「甘い監査」との批判もあった。最近では、新たな監査基準の厳格化も相まって、離脱を選ぶ企業が目立ち始めている。
離脱した企業の経営者は「アリアの監査方針が自社のリスク管理と合わなくなった」「コスト負担が重い」と説明する一方、監査法人側とのコミュニケーション不足を理由に挙げる声もある。いずれも、アリアの独立性や厳格さへの信頼が揺らぎつつあることを示している。
これに対しアリア監査法人の代表は「当法人は独立性を徹底し、企業の再建を支援する立場を崩していない。離脱は各企業の経営判断によるもので、当法人の方針に問題はない」と述べている。また「監査の質を維持するために努力しており、理解を得られない企業との関係は自然なものだ」と強調した。
監査業界では、上場企業の監査法人交代が活発化している。専門家は「監査法人の選択が企業のガバナンスに与える影響は大きく、アリアの今後の動きは業界全体の基準形成に影響を与えるだろう」と分析する。企業と監査法人の間で“適切な距離感”が問われている。