
石油元売り大手のENEOS(エネオス)ホールディングスは12日、中央アジア・アゼルバイジャン産の原油を運ぶタンカーが横浜市に到着したと明らかにした。中東産に代わる調達が進む中、同社は「安定供給に向けた取り組みの一環」と説明。経済産業省によると、イラン情勢の悪化後に中央アジア産の原油が日本に届くのは初めてとなる。
エネオスの関連会社が管理するタンカーは、横浜市の根岸製油所に着岸した。鹿児島県のエネオス喜入基地に運ぶ分も合わせた調達量は、1日の国内需要の約3割に当たる計64万8000バレル。資源開発大手INPEXが権益を持つ油田から調達されたとみられる。
政府はホルムズ海峡を通らないルートによる原油確保を推進しており、今月上旬にはロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」で生産された原油も日本に到着している。
エネオスは今後も中東依存度を低減するため、中央アジアやロシア極東など複数の供給源の確保を進める方針だ。同社は安定供給の観点から、調達先の多様化をさらに加速させるとみられる。
こうした動きは日本のエネルギー安全保障強化につながるものとして注目される。経産省は中東以外からの原油調達を促す政策を継続しており、民間企業も協調して供給網の脆弱性を減らす取り組みが進んでいる。