
再審制度を見直す刑事訴訟法改正案の今国会提出にめどがつき、高市早苗政権内では安堵が広がっている。この法案は首相出席の委員会審議が必要な「重要広範議案」に指定されており、一部野党は「指定したのに与党事情で出せないとなればおかしい」(中道改革連合幹部)と追及の構えを見せていたが、政権は失点を回避した格好だ。
政府は当初、4月前半に法案を閣議決定するスケジュールを描いていたが、自民党内で政府案への反発が相次ぎ、法案提出の前提となる党の事前了承を得られない状況に陥った。
政権内では「前政権から引き継いだ案件だ。高市印ではない」(政権幹部)と予防線を引く向きがあった一方、法案を提出できなければ首相のガバナンスが問われかねないと危惧する声も出ていた。
首相自身は4月27日の参院予算委員会で「私一人の政治決断で決めていいことでない」と党に議論を委ねる姿勢を示した。水面下で党との窓口役を担ったのは木原稔官房長官で、小林鷹之政調会長や政府案に反対していた稲田朋美元防衛相らと落としどころを探った。
今国会の会期が残り約2カ月に迫る中、法案を閣議決定するタイムリミットは今月15日と目されていた。官邸幹部は「あとは何とか成立させたい」と語った。(竹之内秀介)