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石川県金沢市の港町・金石で、空き家の再生を通じて町の雰囲気が大きく変わり始めている。かつては人口減少と高齢化で活気を失い、空き家が目立つエリアだったが、今では古民家をリノベーションしたカフェや店舗が次々と誕生。そのきっかけは、一軒の廃墟に「これは絶対に再生できる」と惚れ込んだ一人の空き家再生のプロの存在だった。
そのプロジェクトを率いるのは、地域おこし協力隊として金石に移住した空き家再生の専門家。彼は最初に目をつけた築80年の廃墟同然の古民家を自ら購入し、約半年かけて全面リノベーション。その物件を地域の交流拠点として開放したことで、周辺住民の間で「空き家を活かせる」という意識が広がっていった。
その後、彼の取り組みに賛同した建築関係者やデザイナーが加わり、空き家の調査から再生、入居者マッチングまでを一貫して行う仕組みを構築。4年半の間に、金石地区だけで30軒以上の空き家が再生され、そのうち約10軒がカフェや雑貨店、ギャラリーとして生まれ変わった。かつては閉まっていたシャッター通りにも、若い店主の店が並ぶようになった。
地域の変化は物理的な景観だけにとどまらない。空き家再生を通じて、住民同士のつながりが強化され、「この町に住み続けたい」という意識が高まった。元々は外からの移住者も多かったが、今では地元の高齢者と若者が一緒にイベントを開くなど、世代を超えた交流が生まれている。地元の商店街組合も積極的に協力し、空き家情報を提供する体制が整った。
金石の空き家再生は、まだ始まったばかりだ。対象エリアを周辺地区にも拡大し、さらに20軒以上の再生計画が進行中。空き家を単なる物件としてではなく、地域の文化や歴史を継承する場として捉える視点が、他の地域からの視察も集めている。この小さな港町が、空き家再生を通じて新たな活力を得るモデルケースになるかもしれない。