
昨年12月に東京都西東京市の住宅で母子4人が死亡し、練馬区のマンションでも男性の遺体が見つかった事件で、警視庁は大きな決断を下した。24日、息子3人と男性を殺害したとして、殺人などの疑いで死亡した母親の野村由佳容疑者(当時36)を書類送検した。捜査関係者への取材により、凄惨な事件の背後にある動機と経緯がようやく明らかになった。
捜査関係者によると、野村容疑者は当時交際していた男性から別れ話を切り出されていたという。この別れ話のもつれが犯行の直接的な引き金になったとみられており、警視庁は慎重に裏付けを進めてきた。男性を殺害した後、野村容疑者が自身の息子3人を道連れにして無理心中を図ったという悲劇的な構図が浮かび上がっている。
書類送検容疑は昨年12月15日ごろ、練馬区のマンションで会社員の中窪新太郎さん(当時27)を刃物で刺して殺害した疑いである。野村容疑者は殺害後、17日ごろまで中窪さんの遺体をクローゼット内に遺棄していたとされる。中窪さんは野村容疑者名義のマンションで一人暮らしをしており、密室の中で凶行が行われていたとみられる。
凶行はそれだけに留まらず、同月19日には西東京市の自宅で3人の息子たちの命も奪われた。高校1年の長男(当時16)を刃物で刺し、小学5年の次男(当時11)と小学4年の三男(当時9)の首を結束バンドで絞めて殺害した疑いが持たれている。将来ある子供たちが母親の手によって命を絶たれた事実は、社会に大きな衝撃を与えた。
警視庁は一連の事件について、容疑者死亡のまま書類送検し、捜査を事実上終結させる方針を固めた。愛憎のもつれから始まった惨劇は、罪のない子供たちを巻き込む最悪の結果を招いてしまった。法廷で真実が語られることはないが、失われた5人の命の重さは決して消えることはない。