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パリ発――ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長が1日、訪問先のパリで記者会見を開き、同社の時価総額が48兆円を突破し国内トップに躍り出た現状について「まだディスカウント(過小評価)されている」と述べ、市場の評価に不満を滲ませた。半面、急速に進化する人工知能(AI)については「規制は必要だと思う」と明言。技術発展と社会的な歯止めのバランスをどう取るかが今後の課題になるとの認識を示した。
会見の冒頭で、投資の引き金となったのはフランスのマクロン大統領との直接対話だったと孫氏は打ち明けた。「今年4月に来日したマクロン氏から『電力を用意するから、ぜひAIデータセンターを進出してほしい』と要請を受けた。欧州での事業展開を考えていた矢先で、絶好のタイミングだった」と振り返る。マクロン氏は6月1日にパリで開催された対仏投資促進イベント「チョイス・フランス」での発表を強く求めたという。
孫氏によると、フランス政府が当初提示した電力供給量は2ギガワットだったが、SBG側が追加の候補地を探した結果、合計で5ギガワットの電力を確保できる見通しがついた。「電力供給の確実性はデータセンター事業の生命線。フランス政府の全面的なバックアップがある」と強調し、750億ユーロ(約14兆円)規模に上る投資計画への自信を示した。
時価総額で日本一になったことへの質問が相次ぐ中、孫氏は冷静な口調で「まだ過小評価されている。SBGが持つ資産価値や成長性を市場が正しく織り込めば、これ以上の価値がある」と主張。具体的な株価目標には触れなかったものの、保有する半導体設計大手アームや米Tモバイル株などの含み益に触れ、「いずれ市場は気づくだろう」と含みを持たせた。現在の株価水準は、孫氏自身の長期的なビジョンからすればまだ低すぎるとの考えがにじむ。
AI規制論については、技術革新を阻害しない範囲での国際的なルール作りが不可欠だと説いた。「AIが暴走するリスクを防ぐために最低限の枠組みは必要だ。各国がバラバラに規制すれば、かえって混乱を招く。国際社会で共通の基準を議論すべき時が来ている」と語った。会見は約1時間にわたり、投資家やメディアから活発な質問が飛び、孫氏の現状認識と将来戦略が鮮明になった形だ。