
トランプ米政権の重要な政策判断の発表は、基本的にドナルド・トランプ大統領自身が直接行っている。
国境問題や経済などの国内問題に加え、外交・安全保障に関する発言は世界中のメディアでトップニュースとなる。そのため、トランプ氏が報道機関のニュースメニューを自ら作り出していると揶揄されることもある。
2月12日、訪米した赤沢亮正経済産業相はハワード・ラトニック商務長官と、前年の日米関税交渉で合意した5500億ドル(約89兆円)の対米投資に関する第1号案件を協議し、交渉継続で一致したと発表した。
ところが、トランプ氏は5日後の17日、突如SNSで「日本との大規模な貿易協定が始動した」と書き込み、対米投資の第1号案件として3つのプロジェクトを公表。日米両政府の担当省庁は慌ててトランプ氏の投稿を追うように、プロジェクトの補足内容を発表した。
3月19日の日米首脳会談で外交成果として公表する選択肢もあったが、トランプ氏は自ら早期に発信する道を選んだ。自身の成果を強くアピールしたい思惑がにじんでいる。