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戸建て住宅が密集する住宅街に突如現れるうどん店。注文を受けてから茹で始めるうどんは、しっかりとしたコシがあり、喉越しが抜群だ。店主はグラフィックデザイナー出身で、自ら店内装飾を手がける。壁には往年の洋画スターのフォトフレームが飾られ、おしゃれな雰囲気が女性客を引き寄せている。
東武野田線の春日部駅から千葉方面へ2駅目の南桜井駅から徒歩10分。「自家製麵 うどん」の看板を掲げた建物が現れ、「udon.おりはら」とのれんをくぐる。メニューは冷たいうどんの「肉汁」と「カレー汁」、温かいうどんの「肉うどん」と「カレーうどん」の4種類のみ。「肉汁」の並(400グラム、800円)を注文すると、白く光沢のあるうどんが運ばれる。弾力があり、「つるっ」と喉の奥へ滑り込む。
店主の折原嘉則さん(69)は「船で長い間運ばれてくると小麦粉は品質が変わると感じる」と語り、国産小麦にこだわる。来店者からは食感が「武蔵野と讃岐の間だね」と評され、なるほど武蔵野のコシと讃岐の喉越しの両方の良さを併せ持っている。
折原さんはそば打ち同好会に所属していた経験を生かし、手切りでうどんを製造する。「短くて柔らかい部分と、ちょっと太くてやや硬い部分と変化があるからこそおいしくなる」と説明する。
つけ汁はほのかな甘味を持つ優しい味わい。だしに使う煮干しは瀬戸内海産、昆布は北海道産と、こちらも国産にこだわる。女性客の姿が目立ち、春日部市内の女性(70)は「まろやかな味が好み」と話す。カレーうどんも注文すると、キレのある辛さで「スパイスを自分でブレンドしている」(折原さん)という。
うどん店を始める前は、小学校の廊下に貼るニュースポスターの文字をペンキで書く仕事を個人で営んでいた折原さん。58歳のときに「好きなことをやろう」と決意し、独学を重ね自宅を改装して平成27年に店をオープン。店名に「ドット」を入れたのは個性的にしたかったからだ。ここ数年は、首都圏外郭放水路地底探検ミュージアム「龍Q館」を訪れた外国人客が立ち寄る機会が増えている。
夫婦2人で切り盛りし、うどんの茹で時間だけで13分ほどかかる。折原さんは「最初から茹でているものを出すことはやってないので、お出しするまで時間がかかりますが、それをわかっていただければ」と優しい表情を見せた。(昌林龍一)
「udon.おりはら」から国道16号に出て春日部市方面へ進み、新4号国道を北に行くと「道の駅 庄和」がある。市産の野菜などを販売するほか、そばや中華が楽しめる食彩館が併設。構内には人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の主人公、野原しんのすけくんを背景に写真を撮影できるパネルがあり、好評だ。問い合わせは同市商工観光課(048-736-1129)まで。