
「昭和の日」の29日、政府主催の「昭和100年記念式典」が日本武道館(東京)で開かれ、式典に合わせ昭和の歌謡史に残る6曲が演奏された。海上自衛隊東京音楽隊が演奏と歌唱を担当した。
最初に流れたのは坂本九の「上を向いて歩こう」だ。1961年(昭和36年)発表で、作詞は永六輔、作曲は中村八大。戦後復興期から高度成長期へと移る時代に生まれた一曲だ。
海外では「SUKIYAKI」のタイトルで知られ、1963年(昭和38年)6月には全米ビルボードチャート1位を3週連続で獲得した。
坂本九は1985年(昭和60年)の日航機123便墜落事故で急逝したが、軽快なメロディーと悲しみを秘めたこの曲は世代を超えて歌い継がれる。阪神・淡路大震災や東日本大震災の被災地では多くの日本人が励まされ、口ずさんだ。
この曲は、産経新聞社と産経リサーチ&データが2024年(令和6年)に募集した「読者が選ぶ昭和の名曲」で、「30代以下」から「80代以上」までのほぼ全年代で1位を獲得した文句なしの名曲だ。
2曲目は松田聖子の「赤いスイートピー」が流れた。松本隆が純愛をテーマに作詞し、呉田軽穂(松任谷由実のペンネーム)が作曲。1982年(昭和57年)1月21日リリースの8枚目のシングルだ。
その後、会場では「なごり雪」「時代」「Get Wild」のメドレーが続いた。
「なごり雪」は1974年(昭和49年)にフォークバンド「かぐや姫」のアルバムに収録され、1975年(昭和50年)にイルカがカバーしてヒット。春の訪れを前に大切な人との別れを描いた切ない曲だ。
「時代」は中島みゆきの初期の名盤で、1975年(昭和50年)リリース。今では誰もが知るスタンダードナンバーになった。
「Get Wild」は小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登からなるロックユニット「TM NETWORK」のヒット曲で、1987年(昭和62年)リリース。日本テレビ系アニメ「シティーハンター」のエンディングテーマとして有名だ。TMNは2024年にデビュー40周年を迎えた。
最後に「川の流れのように」が会場を包み込んだ。「昭和の歌姫」美空ひばりの名曲で、1988年(昭和63年)に世に出た。作詞は秋元康。昭和の終わりと平成の新時代の幕開けという境目で生まれ、日本中に響いた。美空ひばりは翌年52歳で急逝し、没後女性歌手初の国民栄誉賞を受賞した。
内閣府に置かれた同式典準備室の担当者は産経新聞の取材に、「昭和にちなんだ名曲は数多くあるが、そこからの6曲に明確な選考基準はありません。全ての世代の方々に対し『昭和』に思いをはせてもらいたい、とのイメージから選ばれました」と説明した。