
鉄道関連の総合展示会「第2回鉄道技術展・大阪2026」(主催・産経新聞社)が27日、大阪市住之江区のインテックス大阪で開幕した。会期は29日までで、336社・団体が出展。鉄道業界に関心のある学生向けのリクルート企画や地方鉄道応援プロジェクトを大阪では初めて実施する。大阪展では初出展となるJR東日本の池田裕彦副社長に、鉄道事業者間の連携や展示会の意義について聞いた。
「人口が増える社会では、技術レベルを高める競い合いがあった。しかし減少社会では自前主義ではやりきれない。日本全体で連携し、新しい技術を作り上げ、より安全な鉄道を提供しなくてはいけない」
「各社、同じ危機感を持ち必死になってくれている。特に、新型コロナウイルス禍でお客さまが激減して、コスト削減は至上命題となった。そこで、スケールメリットを持つためにも、お互いの技術を取り入れながら連携することが必要。窓口応対は従来のように人を置き続けることはできなくなる。違和感なく応対できるよう、例えば各社のノウハウを生成AI(人工知能)として共通知識化することができたらと思う」
「鉄道のメンテナンスは設備の状態が悪くならないように行うものだが、悪くなった後の状態をAIが学習する材料がない。鉄道事業者共通の課題だ。保守のベテランの暗黙知、先輩方の勘を、どのように知識化するかに今、取り組んでいる」
「上越新幹線は、2028年度に長岡駅~新潟新幹線車両センター間の営業列車と回送列車の自動運転(GOA2)、29年度に新潟駅~新潟新幹線車両センター間の回送列車のドライバーレス運転(GOA4)導入を目指し、工事に着手している。30年代中頃には東京駅~新潟駅間の営業列車のドライバレス運転(GOA3)および回送列車のドライバーレス運転(GOA4)導入を目指し検討を深度化している。将来的には、北陸新幹線および東北新幹線においてもドライバーレス運転の導入を目指し検討を進めていく」
「JR東では自前で水力と火力の発電所を持っている。火力は燃料を重油と灯油から二酸化炭素(CO2)の排出量の少ないLNG(液化天然ガス)と都市ガスに切り替えた。CO2排出のない水素をLNGに混ぜ、『水素混焼』を目指している。最終的には水素専焼にしたい。水素燃料電池と蓄電池を併用したハイブリッド車両『HYBARI(ひばり)』も、技術的にはいいところまで来ている」
「私が新幹線の責任者をやっているときにコロナ禍が発生した。当時は1列車に乗客1人ということもあり、現場の社員から『人々は通信販売ばかりしている。だったらモノを運べばいいのでは』という話もあり、2017年から実施していた新幹線荷物輸送を加速させ、21年10月から『はこビュン』という輸送サービスが始まった。2024年問題と相まって本格的に進んだ」
「初めて見たときには、鉄道技術を見に来る方が大勢いることに驚いた。日本の将来、鉄道の将来を真剣に考え、新しい鉄道、日本の姿を求めていらっしゃる方がいる。だからこそ新しい発想、人的ネットワークが生まれると思う。スタートアップの新しい技術を見ることができるのも、技術展の素晴らしさだ」(織田淳嗣)