
AIやEVなどの開発で今や世界最先端を走る中国。だが、発展から取り残された農村住民の暮しぶりはハイテク大国のイメージからほど遠い。故郷から900kmも離れた浙江省へ「茶摘み」に赴く女性出稼ぎ労働者たちに密着した、財新のルポルタージュをお届けする。
彼女たちの多くは河南省や安徽省などの貧しい農村部から、春の茶摘みシーズンに合わせて長距離移動する。バスや列車を乗り継ぎ、時には丸一日以上かけて目的地に到着する。移動費は自己負担であり、収入の一部を占めるため、経済的負担は大きい。
摘んだ茶葉の量に応じて賃金が支払われるため、彼女たちは朝早くから夕方まで休みなく働く。1日の収入は100元から200元(約2000〜4000円)程度で、都市部の最低賃金を下回ることも多い。宿舎は簡素な共同部屋で、プライバシーはほとんどない。
地元の茶農家は彼女たちの働きに感謝する一方、安価な労働力に依存している現状も指摘される。労働組合もなく、社会保障も不十分なため、病気やケガをしても自己責任で対応せざるを得ない。出稼ぎ先での生活は厳しく、故郷の家族に仕送りするために耐えている。
中国の急速な経済発展の陰で、こうした出稼ぎ労働者は依然として脆弱な立場にある。政府は農村振興政策を掲げるが、格差是正には時間がかかる。彼女たちの物語は、現代中国が抱える矛盾を象徴している。