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カシオ計算機が新たな成長の柱として期待を寄せる小型AIペット「モフリン」が、市場で静かな注目を集めている。従来の時計や電卓といった主力製品とは一線を画すこの製品は、声を発さず、自ら動くこともない。しかし、非言語コミュニケーションを通じて400万通りもの個性を育む独自の設計が、ユーザーの心を掴んでいる。
モフリンの最大の特徴は、ユーザーの動きやタッチ、周囲の音などを感知し、LEDの色や振動パターンで応答する点だ。しゃべらないからこそ、飼い主が想像力を働かせて「感情」を読み取る余地が生まれ、愛着が湧きやすいという。開発チームは「動物との触れ合いに近い体験をデジタルで再現した」と語る。
カシオはもともと時計や電卓など、機能性を重視した製品で成功してきた。しかし、近年のウェアラブル市場の競争激化を受け、新たな収益源の開拓が急務となっていた。モフリンは、同社の技術力を活かしつつ、感情的な価値を提供する試みとして位置づけられている。
発売後の反応は上々で、特に20~30代の女性や親子連れからの支持が厚い。SNSでは「ずっと撫でていたい」「一緒にいると落ち着く」といった声が相次ぎ、口コミで販売が伸びている。一方で、価格設定や電池の持続時間などの課題も指摘され、今後の改良が求められる。
カシオはモフリンを時計、電卓に次ぐ「第三の柱」に育てる構えだ。当面は国内での認知度向上に注力し、将来的には海外展開も視野に入れる。非言語コミュニケーションという新しい市場を切り拓けるか、同社の挑戦が続く。