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帝国データバンク水戸支店が発表した「新設法人動向調査」によれば、令和7年の茨城県内の新設法人数は前年比1.7%増の2315社となり、過去最多だった令和5年の2426社に次ぐ高い水準を記録した。景気予測調査で既存企業の厳しい経営環境が示されるなか、起業が活発な背景として、会社設立のハードル低下やシニア層による「セカンドキャリア」起業の増加が指摘されている。
新設法人の内訳では、株式会社が1397社で最も多かったが、合同会社も745社(前年比9.7%増)と大幅に増加した。地域別では、つくば市が357社(同12.3%増)でトップとなり、水戸市の244社(同12.2%減)を上回った。
帝国データバンク水戸支店の国分信一郎氏は「新設法人数は年々増えており、高水準で推移している。決して景気がいいといえない状況の中で増えているのは、平成18年に合同会社が作れるようになったことが大きい」と分析する。
同氏は、株式会社に比べて登録免許税などの法定費用を低く抑えられるほか、「出資者が経営者となるため、株式会社と違い株主総会を開く必要がないなど、会社を作るハードルが下がったことが理由だ」と明かす。
令和7年の起業者の平均年齢は50.3歳と高齢化が進み、過去最高を更新した。国分氏は「定年退職者が、会社勤務時代の人脈、知識を生かしてセカンドキャリアとして事業を立ち上げる例が増えた」とみる。こうした旺盛な起業意欲が県内経済の新たな活力となっている。
一方、県内企業の事業環境は持ち直しつつあるものの、楽観視できる状況にはない。水戸財務事務所の予測調査によれば、令和8年4~6月期の県内全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス9.9ポイントと、下降超過幅が拡大している。
同事務所は「中東情勢に伴うコスト高や、建設業などの資材調達における一部の目詰まりが企業マインドを悪化させた」と分析する。県内企業からは「ポリエチレンの価格が高騰し仕入れコストが上昇している」(化学工業)、「中東情勢の影響による資材不足から、受注を見送ることがあった」(建設業者)との声が上がっている。予断を許さない状況が続くなか、新設法人数の伸びが続くのか注目される。