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クルマに積まれているオーディオ機材に“凝る”という趣味の世界の、面白さや奥深さを紐解いている当連載。現在は「チューニング編」をお届けしており、今回は最先端のイコライザーをプロがどう使いこなしているのかを詳しく解説する。
まずは前回の記事をおさらいする。車室内には音響的な不利要因がいくつか存在するため、カーオーディオではサウンドチューニング機能を搭載したユニット「DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)」が使われることが多い。市販のメインユニットの中にはある程度高度なDSPを内蔵しているものもあるが、外付けのDSPの方がはるかに高性能だ。
例えば、DSPに搭載されている3大機能のうちの1つであるイコライザーは、メインユニットでは高度なものでも「13バンドグラフィックイコライザー」程度だが、外付けDSPでは「ch独立31バンドパラメトリックイコライザー」である場合がほとんどだ。これにより、スピーカー1つずつに送る信号を31バンドという細かさで調整でき、各バンドの担当周波数を任意に選び、影響範囲も変えられる。
さて、このような詳細なイコライザーをプロはどのように使いこなしているのかというと――。
大きく分けて2つのやり方がある。1つはプロ仕様の高性能測定器を使って周波数特性の乱れを確認し対処する方法、もう1つは聴感で周波数特性の乱れを察知して正していく方法だ。なお、前者であらかた調整した上で後者で仕上げることも多い。
聴感で乱れを見つけるためには、正しい音が頭の中に入っていなければならない。そのためプロたちは、各人にとって基準となるシステムでチューニングに使用する楽曲を聴き込み、調整するクルマの中でその楽曲を流して、どう異なるかを聴き分けてイコライザーを操作する。
基準の音との違いに気づいても、どの周波数帯が乱れているのかを特定するのは容易ではない。しかしプロは経験をもとに「どこがどのように狂っているか」の見当をつけ、イコライザーを操作して正解の音へと近づけていく。
ところで、自分でやる方法も紹介しておこう。プロに調整してもらったデータはメモリーしておき、それとは別に自分でも操作してみると楽しめる。
その場合、プロのように聴感で乱れを見つけ出すのは難しいので、テスト信号を活用するとやりやすい。
お薦めの方法はこうだ。31バンドそれぞれの周波数のテスト信号をネットなどで入手し、1つずつ再生する。すると音量が小さい周波数や大きい周波数が見つかるはずだ。音量が小さくなった周波数は該当バンドを上げ、大きく聴こえた周波数は該当バンドを下げる。全体がフラットになるように整えればOKだ。
なおイコライザー操作は、音程の低いバンドから整えるのが鉄則だ。高い音は低い音の影響を受けるため、先に高い音を整えても後から低い音を操作すると高域のバランスが変わることが往々にして起こる。
今回は以上だ。次回は「タイムアライメント」という機能について説明する。乞うご期待。