プーチン氏、国営通信社解体 新社長に超保守派キセリョフ氏 情報統制のさらなる強化へ

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Haruki Sato
国際 - 20 5月 2026

ロシアのプーチン大統領はこの9日、事前通告もなく大統領令を発し、リア・ノーボスチ通信を解体した。70年余にわたって活動してきた国内最大の国営通信社は一夜にして姿を消し、2300人の社員は代わって創設される「今日のロシア」に吸収される見通しだ。

ノーボスチ通信は1941年、ナチ・ドイツのソ連侵攻を受けてスターリンが設立したソビエト情報局の後継組織である。その主たる使命は大祖国戦争の正当性を内外に喧伝することだった。戦後しばらくしてソ連研究を志した筆者は、ノーボスチが配信する一方的かつ無味乾燥な情報に基づく党機関紙プラウダ、政府機関紙イズベスチヤ、軍機関紙「赤い星」を読まされ、ほとほと閉口したものだ。

ゴルバチョフ大統領が唱道したグラスノスチ(情報公開)政策のおかげで事態は若干改善された。リア・ノーボスチ社も2004年、メドベージェフ現首相に近いスベトラーナ・ミロニューク氏が編集長に就任して以来、「相対的に」との修飾句付きながら、ややリベラルで客観的な情報を提供するようになった。

だが「プーチンのロシア」では、マスメディアは一体に厳しい監督、検閲下に置かれている。その実態を一、二の例で示そう。

2008年、大衆紙モスコフスキー・コレスポンデントは、プーチン氏が近くリュドミラ夫人と離婚し、新体操の五輪金メダリスト女性と再婚すると報じたところ、たちまち廃刊に追い込まれた。

言論・報道の自由を擁護する国際NGO「国境なき記者団」は2013年、ロシアの報道の自由度を179カ国中148位と評価した。リビア、アンゴラ、アフガニスタンより下位だ。同じく「フリーダム・ハウス」も同年、ロシアのメディアを「自由でない」と断じた。ロシアでジャーナリストが客観的な報道に従事するのは命がけであり、実際過去20年間で341人の記者が殺害され、いまだに1人の犯人も捕まっていない。

では、リア・ノーボスチに取って代わる「今日のロシア」はどんな方向に進むのか。答えはすでに出ている。プーチン氏が新社長にドミトリー・キセリョフ氏を任命したからだ。

キセリョフ氏の政治的立場は、ロシア人の間では誰一人とて知らぬ者はいない。彼は国内テレビ局「ロシア1」のアンカーマンとして、ロシア的「超保守主義」に凝り固まった論調を展開してきた。プーチン路線に忠実無比な報道で有名なキャスターである。

ごく最近では、次のような発言で物議を醸している。同性愛に反感を抱くプーチン大統領に迎合するあまり、「(彼らの)血液や内臓は不潔で腐りきっているので、彼らからの献血や臓器提供を禁止すべきだ」。また、欧州連合(EU)に加盟しようとするウクライナの動きを牽制してこう述べている。「彼らは外国勢力に唆され、外国から資金援助を受けているファシストにほかならない」

プーチン大統領による国営通信社の再編は、相互に関連する2つの狙いに基づく。1つは国内反対派に対する締めつけの強化だ。大統領に返り咲いたプーチン氏は、2011年12月以来ロシアで頻発するようになった反政府運動を封じ込めるのに躍起となっている。第2に、そうした反対派の背後に欧米諸国の支援が存在するとみなし、ロシア国内で愛国心やナショナリズムを喚起すること。一石二鳥の目的を持つキャンペーンの一環である。

なぜこのタイミングだったのかについても、2つの理由が挙げられる。まずメドベージェフ包囲網の形成だ。メドベージェフ氏が支援していたリア・ノーボスチ社の解体は、やがて訪れる同首相解任の前兆と見るべきかもしれない。そしてソチ五輪の準備である。プーチン大統領は五輪開催を何が何でも己の権威発揚の一大イベントに仕立て上げたいと考え、思うがままになる通信社を持とうとしたのだろう。

最後に蛇足ながら付け加えたい。このままプーチン氏によるマスメディアの支配が完成したなら、どのような結果をもたらすのか。「プーチノクラシー」(プーチン政治)の永続化に役立つ一方で、次のような逆効果も招来させるのではないか。

プーチン氏に都合の良い情報ばかりが集まって、彼は事実上「裸の王様」と化す。ロシア社会からは知識人や優秀な人材が海外へ流出し、国内には羊のごとくおとなしい者ばかりが残る。揚げ句の果てに不満のはけ口を失った分子たちが反対運動をますます急進化させ、「窮鼠猫を噛む」危険な行動にさえ出るようになる。

もしそのような事態になった場合、責められるべきはプーチン氏自身ということになるだろう。(きむら ひろし)

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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