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マツダは7月30日、東京都江東区のディーラー「関東マツダ深川店」をリニューアルし、モータースポーツ文化を継承するブランド体験拠点「マツダ・ヘリテージ・スペース・フカガワ」をオープンした。
このスペースは同ディーラーの一角に設けられ、マツダのレース活動の歴史やカスタムカルチャーを発信する役割を担う。
マツダはブランド価値経営実現に向けた国内構造改革を推進しており、販売網の再編を進めている。特に都市圏を重点エリアと位置づけ、人口減少が進む地方との二極化に対応する必要がある。現在、都市圏での販売が全体の約50%を占め、今後もその比率は上昇する見通しだ。
その中で、マツダは都市圏に特化した新世代店舗を拡大し、顧客接点の創出とブランド体験価値の提供を目指す。国内ブランドビジネス統括本部の三浦忠本部長は「お客様の購買行動の変化により、販売整備以外の体験価値、独自価値が求められている。既存店舗を含め、遠くても来たくなるような独自価値を提供する店舗作りを進めている」と説明する。
「独自価値の提供」の一環として、関西マツダ守口店ではカスタム特化、東海マツダ大慶橋店ではロードスター専門店、東海マツダ緑店ではアウトドア専門店といった個性的なディーラーを展開。単なるクルマ販売に留まらない、訪れる理由やきっかけづくりを実践している。
今回オープンした深川店のヘリテージ・スペースは、マツダのモータースポーツ文化を軸にした店舗づくり。マツダファンやレース愛好家に向け、サーキット走行のアドバイスやカスタム、ドレスアップの相談が可能だ。
専門スタッフとして、マツダのレース活動に携わってきた人材を含む2名が常駐。矢野宏和店長は「部品や架装、クルマに触れながらお話ができるこの環境ならではの、他店舗では味わえないコアな体感をできる、そんな空間を提供していく」と意気込みを語る。
運営には、マツダ車専門チューニングパーツブランド「オートエクゼ」が深く関与。同社社長で伝説のドライバー、寺田陽次郎氏は長年マツダ車でレース活動を続け、「ル・マン24時間」に20年以上参戦し“ミスター・ル・マン”の愛称でも知られる。
寺田氏はマツダオート東京(当時)に就職後、マツダスポーツ相談室に配属され、顧客向けの車両チューニングを始めた場所がこの深川店だった。「正真正銘、ここが初めてチューニングを始めた場所。ここが聖地かもしれない」と振り返る。
寺田氏は「オートエクゼも連綿と、私がマツダが好きで、ロータリーが好きで、そのファイティングスピリットを引き継いでいる会社。決してモータースポーツが販売を支えるとは思わないが、(一部を)支えているのも事実。モータースポーツのお客様は“濃い”。その濃さを利用して、このパーツを深川の営業に役立ててほしいという思いから、社長にお願いしショールームの開設に至った」と説明する。
ヘリテージ・スペースでは、モータースポーツ活動の歴史展示、オートエクゼパーツの展示・販売、カスタム車両の展示、イベントスペースとしての活用を予定。毎月第一土曜日には広島のマツダミュージアムと中継し、開発者によるトークライブを開催。今後は地域とのコラボレーションイベントやパートナー企業と連携したポップアップストアの開設など、マツダを起点としたコミュニティづくりを進めていくとした。