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ヤマハ発動機が本社(静岡県磐田市)に併設する企業ミュージアム「コミュニケーションプラザ」が、6月27日にリニューアルオープンする。同施設は1998年の開館以来、バイクを中心とした製品展示や歴史資料を無料で公開してきたが、今回の改装では1階エリアの動線を大幅に見直し、展示内容をストーリー仕立てで再構成。責任者の岩崎慎氏は「磐田の新たなホットスポットにしたい」と意気込む。
同プラザは、社員や取引先が企業理念やビジョンを共有する場として誕生した。一般公開を続け、コロナ禍で一時来場が落ち込んだものの、2025年は年間12万3000人が訪れた。内訳を見ると、静岡県外からが6割、30代以上が8割、男性が62%と、どうしても中高年のバイクファンに偏りがちだった。今回のリニューアルで、若い世代や女性、家族連れの取り込みを狙う。
最大の変更点は「1階エリアの順路明確化」だ。従来は広いフロアに製品を所狭しと並べていたが、あえて壁を設けて観覧ルートを固定。ヤマハのものづくりやデザイン、レース活動、ライフスタイル提案まで、段階的に理解できるよう工夫した。エントランスには創業者・川上源一氏のメッセージとともに最新モデルと往年の名車を並べ、ミュージアムの“顔”を強調している。
新たに「特別展示エリア」を設け、若い女性にも足を運んでもらおうと、リニューアル開幕から8月28日までは人気イラストレーターによる「YAMAHAバイクのあるスタイル展」を開催。続く「製造・デザインエリア」では、スポーツバイク『MT-09』の部品構成やデザインの立体化プロセスを映像や実物で紹介。「製品展示エリア」「技術展示エリア」ではバイクやボート、水上バイクだけでなく、産業用ロボットやヘリコプターといった意外なヤマハ製品群にも触れられる。
家族連れに人気を集めそうなのが「タッチ&トライエリア」。MotoGPマシンがバンクした状態で固定され、跨って記念撮影ができる。子ども用キッズバイクも用意。施設外にはヤマハの立体ロゴモニュメントも新設した。館内は従来の白基調からシックな黒基調に変わり、さらに“ヤマハらしさ”を感じてもらおうと「香り」も演出。五感でブランドを体感できる空間を目指した。
リニューアル記念として、6月27日・28日にはキッチンカー出店や小中学生向け体験教室「おもしろエンジンラボ」(28日のみ、要予約)、若手社員によるギャラリートーク(28日)を実施。来館者には記念ステッカーやお菓子(中学生以下)をプレゼントする(台風中止の可能性あり)。さらに、7月3日~5日の鈴鹿8耐に合わせ、9月30日まで歴代8耐参戦車両7台を特別展示。1985年「YZF750」の“テックカラー”車両など、ファン垂涎のラインナップだ。
夏休みには館内全体を使った謎解きゲーム「謎とめぐる記憶の旅」も企画(7月30日~10月30日、参加費500円)。大人でも1時間~1時間半かかる本格的な内容で、親子の思い出づくりにぴったりという。岩崎氏は「バイクにすぐ乗ってほしいという直球ではなく、まずはヤマハ発動機という会社を知ってもらい、製品の背景や“ヤマハの手”と呼ばれる職人技を感じてほしい」と狙いを語る。磐田の新たな観光スポットとして、地域活性化にも一役買いそうだ。