
さまざまな競技で機械判定が広がる中、体操でも人工知能(AI)を活用した採点支援システムが今季から国内大会で導入された。主催する日本協会、審判、開発元の富士通の3者は、スポーツ現場での人間と機械の共存方法を模索している。
世界選手権代表選考会を兼ねた4月の全日本個人総合選手権で、採点を最終決定する審判長の席に初めて同システムが設置された。この大会は新たな試金石となった。
対象種目は男子全6種目と、男子と共通する女子の床運動と跳馬の2種目。体操は技の難度を示すDスコアと出来栄えを表すEスコアの合計で競う。同システムはDスコアを判定し、宙返りやひねりの回数、体の角度から技を認定する。
全日本個人総合では従来通り人間の審判が採点し、選手側から点数への問い合わせがあった場合のみ、確認のために同システムを活用可能とした。最終代表選考会である今月14日からのNHK杯でも同様に使われる。
導入の狙いについて、日本協会の鹿島丈博専務理事は「日本も世界のスタンダードに付いていくことが必要」と説明する。世界選手権では既に同システムが活用されており、日本選手の技の認定で齟齬(そご)が生じないよう、基準を国内外で統一することが選手強化の面で重要だという。