
いま話題になっている本の著者に、じっくりとインタビュー。今回は『境界知能の人たち』の著者、青山学院大学名誉教授の古荘純一氏に話を聞きました。
7人に1人が、IQが知的障害(IQ70未満)と平均(IQ85~115)の間に位置する「境界知能」に該当するといいます。学校や家庭でも見過ごされがちなその生きづらさに、どのような支援が必要なのでしょうか。
境界知能の人は、日常生活で複雑な指示を理解するのが難しく、仕事ではミスが目立つなど、さまざまな困難に直面します。周囲からは「努力不足」と誤解されやすく、本人も自分の特性に気づかないまま苦しむケースが多いといいます。
しかし、日本の教育や福祉の現場では、こうした人々への支援が十分に行き届いていません。知的障害の基準に該当しないため、公的な支援の対象から外れることが多く、本人も周囲も適切な対応方法がわからないまま放置される現状があります。
古荘氏は、まずは「境界知能」の存在を社会が正しく認識し、教育や職場での配慮を広げることが重要だと指摘します。個々の特性に合わせた支援が、彼らの生きづらさを軽減し、社会参加を促進する鍵となるでしょう。