
日本工作機械工業会(日工会)は3月の工作機械受注実績を発表し、前年同月比34.2%増の1934億円と、月別の過去最高額を記録した。前月の2月からも26.6%増加しており、急ピッチの拡大基調が鮮明となっている。会見で日工会の担当者は「外需がけん引する形での驚異的な伸び」と説明した。
受注をけん引したのは海外需要であり、外需は同38.6%増の1340億円と過去最高を更新。中国や欧州での設備投資需要が継続的に旺盛であり、半導体関連や自動車産業向けの工作機械発注が相次いだ。特に中国市場では電子部品やEV関連の需要が底堅く、大型案件も複数含まれたという。
一方、内需も同24.7%増の594億円となり、約3年半ぶりの高水準を達成した。自動車メーカーを中心とする一般機械や電気・精密機械からの受注が好調で、国内製造業の設備投資意欲の強さを反映する形となった。日工会は「内需はまだ本格的な回復途上だが、底堅さが見られる」と評価した。
こうした受注拡大の背景には、中東情勢の緊迫化など地政学的リスクが存在するという見方もある。一部企業では、サプライチェーンの混乱を警戒し生産拠点を分散させる動きが加速。これに伴い、日本の工作機械メーカーへの受注が増加しているとの指摘が会見で出た。ただし日工会は「各社の中長期的な戦略によるところが大きく、短期的な要因ではない」と冷静な見方を示した。
今後の受注動向について日工会は、外需の拡大継続を予想しつつ、為替や原材料価格の変動、さらに米中貿易摩擦の影響を注視する必要があると指摘。半導体やEV関連の需要は当面堅調と見られるが、一過性の特需に終わる可能性も排除できないとした。次回の3カ月後会見では、半期の実績と通期見通しが改めて焦点となる見通しだ。