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「仕事さえしていれば一人前」という価値観は、昭和世代だけでなく若いビジネスパーソンにも根強い。しかし、平日は同僚との飲み会、週末は仕事仲間とのゴルフに明け暮れる生活を続けると、退職後に突然孤立するリスクがある。仕事中心の人間関係しか築いていないため、定年後は家でゴロゴロするしかなく、家族からも煙たがられる「残念な末路」を招きかねない。
実際、長年会社一筋で働いてきた男性が退職後、趣味も友達もなく、毎日テレビの前で過ごすようになったケースは少なくない。配偶者からは「邪魔」と疎まれ、かつての部下や同僚との付き合いも自然と途絶える。こうした現実は、経済的な準備以上に、精神的な準備の不足が原因と言える。
ではなぜ、仕事に没頭するあまり趣味を軽視してしまうのか。その背景には「仕事がすべて」という誤った思い込みと、余暇を無駄だとする生産性至上主義がある。特に日本の企業社会では、飲み会やゴルフさえも仕事の延長として捉えられ、真のリフレッシュや自己成長の機会を奪ってきた。
退職後も充実した人生を送るためには、今から意識的に趣味を選ぶ必要がある。ポイントは三つ。①一人でも楽しめること(読書や散歩など)、②継続的にスキルアップできること(楽器や語学など)、③仕事とは無関係の人間関係を広げられること(地域のサークルやボランティアなど)。これらを満たす趣味なら、定年後も生きがいを持ち続けられる。
人生の豊かさは仕事だけで測れない。たとえ今は多忙でも、週に一度だけでも自分のための時間を作り、新しい世界に足を踏み入れてみてほしい。小さな趣味が、退職後の大きな支えになる。