t>

特別国会が閉幕した。高市早苗首相にとって初の本格的な国会は158日間続き、首相官邸と与野党の現在地を浮き彫りにした(全3回の最終回)。半年以上6割を維持してきた支持率は崩れ始めているが、野党はなお首相に切り込めずにいる。
高市内閣は8月5日、食品の消費税を1%に下げる消費減税法案を閣議決定した。首相はこれまで食品消費税0%を掲げ、その検討を野党も参加する「社会保障国民会議」に委ねていた。1%への修正は、レジ改修など現場の負担を減らす現実路線への転換を示している。
1%という数字は、制度変更にかかる期間を踏まえた選択でもある。各紙は対応期間をこう報じた。「税率1%や2%など数値を変更する減税なら『最短で1カ月程度』で対応できる」(朝日新聞4月9日)「消費税率『1%』案浮上 レジ改修期間を短縮」(毎日新聞4月24日)「『消費税率1%』ならレジ改修3~6カ月」(日本経済新聞4月25日)
高市氏は当初、食品消費税0%を掲げ、その検討を野党も参加する「社会保障国民会議」に委ねていた。7月15日の党首討論では、中道改革連合の小川淳也代表に方針を問われ、社会保障国民会議での議論を優先する考えを示すにとどまった。
消費減税は、与党にとって勝てる交渉カードでもあった。しかし野党は、支持率の陰りが見え始めたこの機を生かせず、首相に斬り込めないまま特別国会を終えた。政権周辺への独自取材でも与党側に緊張感は薄く、野党の非力さが際立つ結果となった。