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旧ソ連地域に残る日本人抑留犠牲者の遺骨収集が停滞している。2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵略の影響で、ロシア国内での遺骨収集事業がストップし、再開のめどは立っていない。終戦81年となる今年の時点で、旧ソ連で目立った動きがあるのは中央アジアのみ。特にカザフスタンでは現地政府の協力を得て、歩みは緩やかながら収集事業が進んでいる。(アルマトイ 桑村朋)
終戦後、旧満州や朝鮮半島にいた旧日本軍の軍人や軍属ら約57万5000人が旧ソ連によってロシア極東やシベリア、中央アジア、モンゴルに抑留され、炭鉱や工場などで強制労働に従事させられた。酷寒や栄養失調による死者数は約5万5000人に上るとされる。
政府は1952年から遺骨収集を実施し、戦没者遺骨収集推進法が成立した2016年から収集事業を「国の責務」と位置付けた。厚生労働省によると、旧ソ連とモンゴルで収容された遺骨は今年5月末時点で2万1960柱。3万柱以上が見つかっていない。
ただ、旧ソ連地域とモンゴルでの収集事業は新型コロナウイルス禍で停滞。最も多くの遺骨が残るロシアではウクライナ侵略以降、完全に停止した。旧ソ連地域全体で日本人抑留者の埋葬地は約700カ所あるとされるが、実際に見つかったのは約210カ所にとどまる。
遺骨が収容されても現地に留め置かれるケースも多い。日本人かどうかを調べるDNA型鑑定が追い付いていないためだ。各地から日本に送られる遺骨の検体数が膨大で、鑑定に数年かかることもある。関係者によると、鑑定は順番待ちの状態で、検体が日本に送られないまま〝放置〟された遺骨もあるという。
収集事業を管轄する厚労省社会援護局の小沼利男・事業課事業推進室室長補佐は「犠牲者の子供世代はすでに80歳以上と高齢化している。孫や甥らの親族にも広くDNA型鑑定への協力を求めつつ、できる地域から迅速に作業を進めたい」と話す。
各地で収集事業が停滞する中、唯一動きがあるのがカザフスタンだ。カザフでの抑留者の死者数は約1500人で、これまでに361柱の遺骨が収容された。22年以降にも埋葬地が新たに見つかっている。