
米新興企業アンソロピックが開発した最新人工知能(AI)「クロード・ミュトス」を巡り、三菱UFJ銀行など3メガバンクが利用できる見通しとなったことが13日、関係者への取材で分かった。日本政府がアンソロピック側にアクセス権を求め、数カ月にわたって交渉を続けてきた末の成果だ。
このAIは、金融システムの弱点を突くサイバー攻撃への対処を目的としており、日米両政府が連携して実用化を急いでいる。関係筋によると、日本側は金融機関の防御力を高めるため、最先端技術の利用を優先課題としてきた。
銀行幹部らは先週、来日したベセント米財務長官との非公開会合に出席。席上でクロード・ミュトスのアクセス権が話題に上った可能性があるとみられる。財務省関係者は「具体的な協議内容は明かせない」としながらも、産経新聞の取材に協調姿勢を強調した。
クロード・ミュトスは、コンピューターシステムのセキュリティ上の脆弱性を見つけ出す能力が飛躍的に向上したと専門家は指摘する。従来のAIと比べて誤検出が少なく、未知の脅威にも対応できる点が評価されている。
現時点では、米グーグルをはじめとする一部の通信・金融機関に限定して公開されている。アンソロピックは今後、日本での利用拡大に向けて、政府や金融当局との協議を継続する方針だ。