t>

茂木敏充外相は21日から東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議に出席するため、フィリピンの首都マニラを訪問する。米中両大国が国際秩序を揺るがす中、アジアの原油確保に向けた金融支援の枠組み「パワー・アジア」などを主導する日本へのASEANの期待は増しており、会議を通じ信頼関係を一層強固にできるかが焦点となる。
一連の会議は23日まで開催され、ルビオ米国務長官や中国の王毅外相らも出席する予定だ。
茂木氏は17日の記者会見で「ASEANは自由で開かれたインド太平洋(FOIP)を実現するため、中心となる地域だ。協力関係を深めたい」と述べた。滞在中には日ASEAN外相会議や、日中韓が加わるASEANプラス3、米露なども参加する東アジアサミット(EAS)外相会議、日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」外相会合などに出席する。
今回のASEAN関連外相会議は国際的に米中への警戒感が高まる中での開催となる。トランプ米政権が2月に開始したイラン攻撃はサプライチェーン(供給網)の混乱をもたらし、ASEANは深刻な原油不足に見舞われた。一方、中国は2016年にオランダ・ハーグの仲裁裁判所が国連海洋法条約に基づき中国の南シナ海での主権主張を退けた裁定を受け入れず、仲裁を求めたフィリピンに対する圧力を強めている。
一方、日本は高市早苗首相が4月、原油調達に苦しむASEANなどの各国に約1兆6000億円の金融支援を行う「パワー・アジア」の協力枠組みを打ち出した。原油調達を後押しすることでアジア各国で生産される石油由来の医療物資のサプライチェーンを維持する「ウィンウィン」の構想だ。外務省幹部は「ASEANの日本への信頼は高まっている。今回は具体的な協力関係をしっかり確認することが重要だ」と話す。中国による軍事・経済での威圧に直面する日本にとって、米国との同盟関係は前提でありつつも同志国との連携は欠かせず、ASEANはその中核的存在。会議では深化したASEANとの協力関係を打ち出す。