t>

2度の不信任決議を経て前市長が失職したことに伴う茨城県石岡市長選(21日投開票)は、3人が立候補して市政混乱の打開策などを巡り論戦を繰り広げている。各候補へのインタビューをもとに、訴える政策や横顔を紹介する。(届け出順)
「■無所属前職・谷島洋司氏(63)~対話不足猛省『もう一度先頭に』」
市長時代に市議会から2度の不信任決議を受け、議員との対話不足を猛省する。子育て施策など道半ばの政策実現に向けて「もう一度、市政を前に進めるために先頭に立つ」と出直し選への挑戦を決めた。
郵便局長、県議を経て、先代の市長が取り組んだ石岡地域医療計画を引き継いで令和2年に市長に就任した。学校給食費無償化やスケートボードパークの新設、オーガニックビレッジ宣言など、これまでの実績を強く訴える。
今後の重点政策として、分娩(ぶんべん)のできる産科施設の誘致や企業誘致などを掲げて「若者・子育て世代に選ばれる石岡」を目指す。
市議会との対立を招いた複合文化施設整備計画については、「市民の声ありき」として規模縮小を含む見直しを示唆する。
防災士の資格を持ち、行政のトップとしても災害対策に生かしてきた。趣味は美術館巡りで、石岡市生まれの洋画家・熊岡美彦などの作品を集めたギャラリーを作り、市民の誇りにしたいという思いを持つ。好きな言葉は「不撓(ふとう)不屈」。
「■無所属新人・戸井田和之氏(61)~『4WD』の市政運営で立て直し」
混乱する市政を正常化してほしいという市民の声を受けて出馬を決意した。市議会との衝突が続いた前職の市政運営には「『検討』ばかりで判断が遅く、責任転嫁が多い」と手厳しい。
石岡市議を経て県議を5期務め、副議長や自民党県連政調会長を歴任した。常磐道石岡小美玉スマートインターチェンジの設置にも力を尽くし、議員活動を通じて県との緊密な関係を築いてきたと自負する。市長選の出陣式には大井川和彦知事も応援に駆けつけた。
選挙戦では、「石岡の立て直し」を掲げ、副市長の不任用や市長公用車の廃止、ふるさと納税強化による財源確保を訴える。人口減少などの山積する課題を前に「市民、市議、市職員、市長が『4WD』でなければこの難局を乗り越えられない」と強調する。
前職が推進を目指してきた複合文化施設整備計画に関しては、「白紙撤回」して規模を縮小した上で、本当に必要な施設を再検討すべきだという立場だ。
趣味は「一人キャンプ」。頭をからっぽにしてリフレッシュにつなげる。
「■無所属新人・幕内幹男氏(68)~議会と関係構築『平素から議論』」
医師や病院長として市内での知名度は高い。政治経験はないが、前職と市議会のコミュニケーション不足を不信任決議という形で目の当たりにし、市政を「私が動かす」という意思を固めた。
当選を果たした場合は、議会との関係構築に向けて「平素も十分にディスカッションする」と話す。
子供のころに母親を交通事故で亡くした経験から医師を目指した。手術執刀数3400件以上というベテラン外科医で、鉗子(かんし)などの手術用具を毎日触って指先の感覚を鍛える。医療法人理事長として山王台病院を運営し、30年にわたり地域医療に貢献してきた。
市長選では、JR石岡駅前の再開発や、近隣自治体との合併の可能性模索を含めた広域連携、企業誘致の強化などに取り組むと訴える。また、子育て支援策として、第3子以降への100万円支給も掲げる。懸案である複合文化施設整備計画や産科施設誘致構想については、費用対効果の検証が必要だと主張する。
盆栽と金魚の飼育が趣味で、好きな言葉は「報恩感謝」。(谷島英里子)