
日本のジャズトランペッター日野皓正が1960年代後半から70年代初頭にかけて日本初のジャズ専門レーベル「TAKT」に残した歴史的作品群9タイトルが、12月15日よりデジタル配信を開始した。これらの作品がストリーミングおよびダウンロードで解禁されるのは今回が初めてとなる。
戦後日本のジャズシーンが新たな胎動を見せ始めた1960年代後半、その中心で弱冠20代ながらトップに躍り出たのが日野皓正だった。彼は圧倒的な演奏技術と洗練されたスタイルで瞬く間にシーンをけん引し、若者たちの間で熱狂的な支持を集めた。
日野皓正の魅力はプレイスタイルだけにとどまらなかった。端正なルックスと時代を先取りしたファッション性も相まってカリスマ的な人気を誇り、「ヒノテル・ブーム」と呼ばれる社会現象を巻き起こした。
その熱狂の記録とも言えるTAKTレーベル期のアルバムとシングル計9作品は、当時の創造性あふれるサウンドを現代に伝える貴重なアーカイブだ。今回のデジタル配信により、長らくフィジカルのみで流通していたこれらの音源が、世界中のリスナーにアクセス可能となる。
このデジタル化により、日野皓正の芸術的遺産が新たな世代の音楽ファンに再発見される機会が生まれた。戦後日本のジャズ史における重要な遺産が、時代を超えて蘇る一歩として大きな意義を持つ。