
沖縄県名護市辺野古沖で発生した船2隻の転覆事故で、平和学習中の同志社国際高校(京都府)の女子生徒ら2人が死亡したことを受け、国土交通省は22日、抗議船「不屈」の金井創船長(71)=死亡=を海上運送法違反罪で海上保安庁に刑事告発した。船長が事業登録を受けずに運送を行っていた疑いに加え、同校の依頼で繰り返し生徒らを船に乗せ、謝礼を受領していた事実も確認された。国交省はこの行為を、事業登録が必要な「一般不定期航路事業」に該当すると判断している。
運輸局に相当する内閣府沖縄総合事務局運輸部の関係者が22日午後2時ごろ、沖縄県沖縄市の中城海上保安部を訪れて告発書を提出した。これにより、海上保安庁が正式な捜査を開始する見通しだ。
国交省の事実関係の確認によると、金井船長は令和5年以降、同校からの依頼を受け、昨年を除いて計6回にわたり同校の生徒や教員を抗議船に乗せていた。いずれのケースでも謝礼を受け取っていたことが明らかになっている。
海上運送法では、行為が有償か無償かを問わず、他人の要望に応じて人を運搬する場合、転覆した2隻のような小型の「非旅客船」であっても、「内航一般不定期航路事業」として国への登録が義務付けられている。無登録での運航は同法に違反する。
転覆した2隻の船長が事故前に、乗船していた同校の生徒に一時的に操縦のハンドルを持たせていた可能性も浮上している。第11管区海上保安本部(那覇)が、事故の詳しい経緯とあわせて確認を進めている。
関係者によると、金井船長が生徒にハンドルを持たせている場面を目撃した平和丸の船長は、波の穏やかな海域で「自分も生徒にハンドルを持たせた」という趣旨の話をしている。船舶職員及び小型船舶操縦者法では、危険の恐れがある場合の操船は免許保持者に限定する一方、安全な海域では免許を持たない人の操船も条件付きで認めている。