
茂木敏充外相は25日、日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」の外相会合に出席するため、羽田空港からインドの首都・ニューデリーに向けて出発する。中国の覇権主義を念頭に、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」実現に向けた協力を確認するほか、第2次トランプ政権発足後、一度も開催されていない首脳会合への道筋を付けられるかが焦点となる。
茂木氏は出発前の22日の記者会見で、「国際秩序の構造的な変化に直面する中、戦略的かつ率直な意見交換を行いたい」と述べた。インド滞在中にはルビオ米国務長官らとの二国間会談も予定されており、イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖を踏まえ、エネルギー安全保障についても議論するとみられる。
クアッドは民主主義などの価値観を共有する4カ国が安全保障や経済協力を議論する枠組みだ。2019年9月にニューヨークで初の外相会合が開かれ、2021年9月にはワシントンで対面の首脳会合が開催された。しかし、首脳会合は昨年1月にトランプ氏が大統領に復帰して以降、開かれていない。
元来、トランプ氏は多国間協議を好まないとされる。加えて、米国がウクライナ侵略を続けるロシアから原油を輸入するインドに追加関税を課したことで米印関係がこじれ、開催のめどが立たなかった。もっとも関税問題は今年2月に解決し、クアッド再開の環境は整った。茂木氏は会見で「ありうべき首脳会合を見据え、外相間でしっかりコミュニケーションをとりたい」と語り、調整に意欲を示した。
今回の外相会合は14、15両日の米中首脳会談直後に開催される。トランプ氏は米中二極体制を意味する「G2」論に言及し、習近平国家主席への親密な態度を隠していない。
米中の融和により、米国のインド太平洋からの関与低下は日豪印にとって避けたい事態だ。外務省幹部は4カ国の結束を改めてアピールする上で、「戦略的に良いタイミングだ」と指摘する。