
政府が年内に改定する国家安全保障戦略など安保関連3文書では、トランプ米政権が求める防衛費増額の目標をどう設定するかが最大の焦点となる。自民党が策定中の政府への提言では、具体的な数値目標を盛り込まず、政府に検討を委ねる方向だ。
政府はトランプ政権との良好な関係を維持しつつ、「主体的な判断」で防衛費目標を打ち出せるかが問われている。トランプ大統領は「米国第一」主義に基づき、同盟国に国防費増額を強く求めてきた。
ロシアの脅威に直面するNATO加盟国に対しては、国防費をGDP比3.5%、インフラ整備を含む国防関連支出では5%とする目標を呑ませた経緯がある。日本も同様の圧力にさらされる可能性が高い。
現在の日本の防衛費はGDP比約1%程度にとどまっており、トランプ政権が求める水準との乖離は大きい。政府内では、自衛隊の装備強化やサイバー防衛などの分野で増額を検討する動きがある。
専門家の間では、米国の要求に安易に応じるのではなく、日本の安全保障環境を踏まえた「主体的判断」が不可欠との指摘が相次いでいる。政府は年内の文書改定に向け、調整を加速させる方針だ。