
大阪市は29日、国家戦略特別区域法に基づく「特区民泊」の新規申請受け付けを停止した。市によると、今月は28日時点で1カ月当たり過去最多の1073件の申請があり、全国の9割の施設が集中する市内ではごみや騒音などを巡る周辺住民からの苦情が相次いでいる。市は既存施設の運営適正化に全力を挙げる方針だ。
内閣府のデータによると、大阪市内の認定施設は2月末時点で全国の94%に当たる8178施設に上る。特区民泊は訪日外国人客の増加で宿泊施設が逼迫したことを受け、平成25年に制度化された。
市は昨年新設した「迷惑民泊根絶チーム」のメンバーを当初の4倍となる20人に拡充し、積極的な立ち入り調査を進めている。違法運営や周辺住民への迷惑行為への対策を強化する狙いだ。
営業実態の確認が必要な「重点監視施設」と、苦情が集中する市中心部の施設を合わせた約4900施設を対象に、法令や指針に沿った運営が行われているかを今年度中に調査する予定である。
横山英幸市長は29日、記者団に対し「迷惑民泊、違法民泊を撲滅するための組織態勢を組んだ。市民が安心して過ごせる環境づくりを進めていきたい」と述べ、今後の申請再開については「協議段階にない」と語った。また、大阪府が所管する33市町村のうち29市町村も29日で新規申請受理を停止。30日以降も申請可能な府内自治体は羽曳野、河内長野、貝塚、泉佐野の4市にとどまる。