
新NISA制度の開始から約1年、資産運用業界で資金の偏りが鮮明になっている。一部の運用会社には巨額の資金が流入する一方、他社では流出が止まらず、最大で13兆円のプラスから3000億円のマイナスまで格差が広がった。この傾向は、投資家の選別意識と手数料競争の激化を如実に示している。
資金を大きく増やしたのは、低コストのインデックスファンドや話題のアクティブファンドを提供する大手運用会社だ。特に新NISAのつみたて投資枠で人気の商品を持つ企業に資金が集中し、運用残高は急拡大した。これらの会社はブランド力と販売網を生かし、顧客基盤を着実に広げている。
一方で、流出超過に悩むのは、過去の名門だが商品ラインナップが古く、手数料が割高な中堅・中小運用会社である。新NISAの低コスト志向に対応できず、既存顧客の資金も他社へ流出している。ある会社は3年連続で純資金流出が続き、経営の岐路に立たされている。
このような情勢を受け、業界では再編や撤退の動きが加速している。大手による中小の買収や、外資系運用会社の日本撤退の噂も絶えない。生き残りには、商品開発力と顧客サービスの差別化が不可欠だと専門家は指摘する。
今後も新NISAの普及に伴い、運用会社間の競争は一層激化する見通しだ。投資家は手数料や運用実績だけでなく、長期的な信頼性も重視するようになる。淘汰の波を乗り越える企業だけが、次の成長期に生き残ることができるだろう。
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