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参政党の神谷宗幣代表は11日の参院内閣委員会で、LGBT理解増進法に基づく初の基本計画案について「抽象的で範囲が広がり過ぎている。曖昧なままではセミナーや研修など特定のビジネスにつながりかねない」と指摘し、内容の明確化を求めた。女性専用スペースの保護や「性的指向や性自認」(SOGI)を巡る書き方を疑問視し、「守るべき国民の権利や国際的なバランスを踏まえた内容にしてほしい」と訴えた。
同計画案は令和5年6月施行のLGBT理解増進法に基づき策定される。自民党は今月9日の政調審議会で了承しており、近く閣議決定される見通しだ。
所管する黄川田仁志共生社会担当相は同委で、基本計画について「性的指向やジェンダーアイデンティティーに関する一般的な理解を職場や学校で進めていくものだ」と説明。その上で、「LGBTなど特定の属性の人を対象に権利を付与したり、義務を課したりする性質の計画にはならない」と述べた。
理解増進法を巡っては、法文の曖昧さからトランスジェンダー女性(生まれつきの性別は男性、性自認は女性)による女子トイレなど女性専用スペースの利用を正当化しかねないとの懸念が指摘され続けている。
神谷氏は「基本計画案に女性スペース保護に関する具体的な記載は検討されているのか」とただしたが、内閣府の水野敦政策統括官は「理解増進法の趣旨に則って引き続き検討していきたい」と述べるにとどめた。
神谷氏は計画案に盛り込まれた「SOGI」の表記にも疑問を呈した。SOGIは「Sexual Orientation(性的指向)」と「Gender Identity(ジェンダーアイデンティティー)」の頭文字を取った略称だが、3年前に施行された理解増進法の条文には用いられていない。
神谷氏は「国民の理解増進を進めるなら、なぜわざわざ新しい言葉を使うのか。どんどん横文字の略語になって訳が分からなくなると若い人も混乱し、年配の方も定義が分からなくなる。理解を深めるためなら法律と同じ言葉を使うべきだ」と主張した。
これに対し、水野氏は「国際機関の公的文書でも『SOGI』という言葉は使われている」と説明した。
神谷氏はさらに、「コロコロと言葉が変わると概念が広がり、抽象化していく。日本国民に分かる言葉と定義で進めるのが筋だ」と重ねて苦言を呈した。
理解増進法そのものについても、神谷氏は「LGBTへの差別は許されるべきではないが、それは憲法14条でしっかり保障すればいいことであり、個別の法律を作る必要はない」と指摘。その理由として、「こうした制度ができると、性差をなくそうとする活動や行き過ぎた性教育につながることを懸念している」と説明した。
一方で、法制定時には「国が法律で枠を定めなければ自治体が行き過ぎた条例を作る可能性があるとの説明を受け、押し切られる形になった」と振り返り、「具体的な枠をはめるためにも基本計画を早く作る必要がある」と強調した。
理解増進法は基本計画の策定と3年ごとの見直し検討を求めているが、初の計画策定は法施行から約3年後となった。この点について、水野氏は「多様な意見があり得ることから、丁寧な検討が必要だと考えている」と説明。政府はこれまで18回にわたり「性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進連絡会議」を開催し、有識者ヒアリングなどを実施してきた。