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林芳正総務相は1日から7日までベルギーなど欧州3カ国を歴訪する。欧州連合(EU)のデジタル分野に関する閣僚級会議に出席する予定となっており、外交手腕を発揮したい考えだ。昨年の自民党総裁選では高市早苗首相に敗れたが、昨年10月の総務相就任後は知名度不足の克服も見据え、地道な地方行脚を重ねており、首相就任への意欲は衰えていない。
林氏はベルギーのほか、モルドバとルクセンブルクも訪問する。モルドバとはサイバーセキュリティー、ルクセンブルクとは宇宙通信分野の協力を進めるため、それぞれ担当閣僚らと会談する。林氏は出発に先立つ4月28日の記者会見で「今回の訪問でデジタル経済のさらなる発展に向けて欧州各国との連携強化を図っていく」と述べた。
林氏は前回総裁選以降、総務相の職務に注力してきた。今年に入ってからは、地方の課題検証のため高知県や鹿児島県などを訪問。地道な地方行脚からは、前回総裁選の1回目投票の国会議員票で2位と善戦しつつ、党員・党友票の低迷につながった知名度不足を払拭する狙いが透ける。
また、国会議員の仲間集めのため、頻繁に会食を重ねており、4月20日には政策グループを発足させたばかりの武田良太元総務相との会合を予定した。東北・三陸沖を震源とする地震のため中止となったが、林氏と武田氏はいずれも首相を支える麻生太郎党副総裁と疎遠で、2人の接近は来年の総裁選への布石との見方がある。
林氏の活発な動きについて、自民中堅は「高市政権は長期政権の可能性が高い。(65歳の)林氏には自分がスキップされ、世代交代が進む焦りがある」と指摘する。
もっとも、自らが所属した肝心の旧岸田派を掌握しているとは言い難い。旧岸田派は前回総裁選で田村憲久元厚生労働相や古賀篤元内閣府副大臣らが林氏を支援したが、岸田文雄元首相最側近の木原誠二元選対委員長らが小泉進次郎防衛相の応援に回った。
岸田氏は前回総裁選の1回目の投票で林氏、決選投票で小泉氏に票を投じ、旧岸田派の結束に腐心した。現在は「林さんと木原さんがそれぞれで仲間を集めていけばいい」と語る。
一方、岸田氏周辺では林氏が岸田氏のもとをほとんど訪れず、独自の動きを強めていることに不満の声も上がる。林氏は首相になるタイミングは「『天の時』『地の利』『人の和』が惑星直列のように並ぶときだ」と語ってきた。首相への道を切り開くためには、旧岸田派の「和」に汗をかくことが重要となる。