t>

三菱電機は信越化学工業などと組み、家庭用エアコンで使われるレアアース(希土類)磁石のリサイクルに乗り出した。国内初の取り組みという。ダイキン工業も来年から業務用エアコンについて同様の対応を始める。レアアースの輸出規制を強化する中国に依存しないサプライチェーン(供給網)を築き、安定的な生産体制を確立する狙いだ。
三菱電機によると、家電リサイクル法に基づき回収したエアコンの圧縮機(コンプレッサー)から、リサイクル業のエコアドバンス(埼玉県)がレアアース磁石を取り出す。信越化学がネオジムやプラセオジムなど4元素のレアアースを分離・精製し再資源化。レアアース磁石に作り直し、エアコンに再利用する。
回収できるレアアースは1台当たり数十グラムに上り、重量ベースで約35%をリサイクルできる見込みだ。業務用空調や自動車電装部品に使うレアアース磁石のリサイクルも視野に入れる。
一方、ダイキンは今年中に人工知能(AI)画像認識技術などを使い、レアアース磁石を自動で分解し取り出す装置を開発する計画だ。
レアアースは「産業のビタミン」と呼ばれ、ハイテク分野で幅広く使われている。生産量は中国が世界の約7割を占め、日本は輸入の6割以上を中国に依存する。
英調査会社アーガス・メディアによると、レアアース磁石に使われる「プラセオジム・ネオジム合金」の中国からの輸出価格(今月24日時点)は1キロ当たり138.5ドル(約2万2000円)と、半年前に比べ約18%上昇した。
各社のレアアースのリサイクルについて、第一ライフ資産運用経済研究所の嶌峰義清シニア・フェローは「安定確保と価格高騰リスクへの対応の2つの狙いがある」と分析している。
経済産業省は4月、重要鉱物の確保に向けた官民投資の工程表案をまとめ、レアアースの国内でのリサイクル拡大方針を盛り込んだ。経済安全保障の観点から今後、注目を集める分野になりそうだ。