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伊豆への“大人の修学旅行”に出かけた50代おひとりさま漫画家・くらたまは、偶然立ち寄った「怪しい少年少女博物館」で、亡き夫との記憶が鮮やかに甦った。「不気味なもの」や「奇妙なもの」が大好きだった夫との日々を懐かしむ彼女の目には、展示物の一つひとつが別の意味を持って映ったという。
博物館は外観からして異様な雰囲気を漂わせており、入り口には「ようこそ、奇妙な世界へ」と書かれた看板が掲げられている。中に入ると、不気味な人形や奇抜な造形物が並び、一種独特の世界観が広がっていた。「夫が生きていたら、きっと目を輝かせて見ていただろう」とくらたまは回想する。
くらたまの夫は、生前からホラー映画や都市伝説を愛し、怪しい場所を探しては彼女を連れ歩いたという。特に「子供の頃に感じた背筋の凍るような感覚」を共有できる相手はまれで、博物館の展示を見ながら「また一緒にこういう場所に来たかった」と胸が熱くなったと語る。
この博物館を訪れたのは、夫の命日が近かったことも理由の一つだ。くらたまは「一人で来ると、彼の声が聞こえてくるような錯覚に陥る」と笑いながらも、目の端には涙を浮かべていた。50代となり「おひとりさま」としての生活が板についてきた今でも、夫の趣味の影響は強く残っているようだ。
旅の締めくくりに、くらたまは博物館の出口で「また来るよ」とつぶやいたという。彼女にとってこの博物館は、単なる観光地ではなく、亡き夫との絆を再確認する特別な場所となった。今後も“怪しいもの”を追い求める日々は続きそうだ。