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中国の習近平政権が香港の民主派排除を目的に導入した「香港国家安全維持法(国安法)」が30日で施行から6年を迎えた。香港では今年、行政主導で国家安全法制の適用範囲が拡大され、中国共産党式の統治モデル導入と「一国二制度」の崩壊が加速している。
香港政府は3月、立法会(議会)に諮らずに国安法の施行細則を改定した。これにより、当局からのスマートフォンなど電子機器のロック解除要請を拒否した場合、罰則が科されることとなった。
さらに、国安法を補完する「国家安全条例」の付属法令を6月に整備した。国家分裂罪など国安法の対象外となる犯罪についても、香港政府トップである行政長官の判断に基づいて同法の規定を適用した捜査や司法手続きが可能となり、保釈制限や審理の非公開が広がる見通しだ。
香港出身の人権派弁護士、桑普氏は「行政長官が一切の権利を掌握し司法の権利は行政に移る。香港人を萎縮させるほか、外国人ビジネスマンや旅行者にも大きなリスクを生む」と警鐘を鳴らしている。
報道の自由への締め付けも緩む兆しはない。中国に批判的な論調で知られた香港紙、蘋果日報は6月、発行停止から5年となった。創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏(78)は2月に国安法違反などの罪で禁錮20年の判決を受けている。
香港の経済政策の自主性にも憂慮の声が上がる。政府は中国の中期経済目標「第15次5カ年計画」に合わせ、初めて独自の「5カ年計画」を策定する方針だ。
台湾で対中政策を主管する大陸委員会は30日に公表した香港情勢に関する報告書で、「立法と司法のチェック・アンド・バランス機能の喪失」や「国家安全法制の拡張」などにより、香港のさらなる「中国大陸化」への懸念を生じさせていると指摘した。