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WASHINGTON, DC – DECEMBER 05: FIFA President Gianni Infantino and U.S. President Donald Trump on the red carpet prior the FIFA World Cup 2026 Official Draw at John F. Kennedy Center for the Performing Arts on December 05, 2025 in Washington, DC. (Photo by Tasos Katopodis – FIFA/FIFA via Getty Images)ドナルド・トランプ米大統領は、FIFAワールドカップ2026で一発退場となった米代表FWフォラリン・バログンの出場停止処分が異例の猶予を受けたことについて、自身が国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長に電話で働きかけたことを認めた。英紙『ガーディアン』が6日に報じている。
FIFAは5日、バログンに対する出場停止処分に1年間の猶予を与えると発表。この裁定により、ラウンド32のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でオンフィールドレビューの末に一発退場となった同選手が、6日に行われるベルギー戦(ラウンド16)に出場可能となった。
裁定発表直後、トランプ大統領は自身のSNSに「FIFAが正しいことをし、大きな不当行為を覆してくれたことに感謝している!」と投稿。ホワイトハウスがFIFAに直接連絡し、バログンのレッドカードの検証を要請したとの報道もあったが、大統領自ら会長に電話していたことが明らかになった。
トランプ大統領はその電話について、「電話はしたよ。あれはファウルだと思わなかったから見直しを求めた。仮にトップクラスの選手、おそらくチーム内で最高レベルの一人をプレーさせないとなれば、大きな汚点を残しただろう。私はその思いを伝えただけで、彼に何をすべきか指示したわけではない。指示することもできない。それに彼自身が決定を下したとも思っていない。委員会が決定を下したんだ。そして、それは正しい決定だった」と説明した。
さらに、VAR介入でレッドカードが提示されたバログンのプレーについて、「私は本当に良くスポーツを理解しているが、あれはファウルですらなかった。全速力で走っていた二人の選手がたまたま衝突してしまっただけだ。走っている最中に意図的に相手の足の上に自分の足を置くなんてできない。あれは二人の偉大なアスリートが絡み合ってしまっただけだ」とコメント。
続けてトランプ大統領は、「レッドカードが何を意味するのか知らなかったが、少なくとも次の試合には出られないという話を聞いた。試合でのプレーに対して誰かにペナルティを科すのであれば話は別だが、まだ行われていない試合にどうやってペナルティを科すというのか。それはあまりに不公平だ。勝つにせよ負けるにせよ、我々も相手も最高の選手を揃える必要があるんだ」と述べた。
一方、インファンティーノ会長も6日に発表した声明でトランプ大統領からの電話があったことを認めている。「私はFIFAワールドカップに関する事項について、定期的にアメリカの大統領と協議を行なっている。今回の件についても、ドナルド・トランプ大統領から電話をいただいた。世界中の国家元首や政府高官、サッカー関係者、企業幹部の方々から様々な問題について電話をいただくのと同様だ」と説明。
会長はさらに、「その際、私はFIFAの独立した司法機関によって法的手続きが進行中であり、当該案件は然るべき時期に管轄機関によって決定が下されることになる、と説明した。それこそがFIFAの仕組みであり、我々が常に堅持している原則でもある」と述べた。
この異例の裁定に対して、UEFAは「前代未聞で理解しがたく、正当化できない決定に対し、強い憤りを表明」と抗議声明を発表した。ベルギーサッカー協会もFIFAの対応を「不誠実」と非難し、CAS(スポーツ仲裁裁判所)への提訴を検討している。
ベルギー代表の指揮官は「エイプリルフールだとは知らなかった」と皮肉を込めてコメント。対戦相手として公平性を損なう決定だと猛反発している。
一方、アメリカ代表の監督はこの決定を「歓迎すべきだと思う」と評価。チーム内でもエースの出場が可能になったことに対する安堵の声が上がっている。
チームメイトのクリスティアン・プリシッチも「いて欲しいと思うのは当然」と喜びを表明。バログンの復帰がチームに与える影響の大きさを強調した。
バログンのプレー自体は両選手が全速力で走る中での接触であり、主審がVAR確認後にレッドカードを提示。トランプ大統領の介入がFIFAの決定に影響を与えたのではないかと疑問視する声も少なくない。
サッカー界からは、国家元首が競技の処分に介入することの是非について議論が沸騰。独立した司法機関の判断を尊重すべきだとの意見がある一方、開催国アメリカの大統領が自国選手の処遇に懸念を示すのは当然だとする見方もある。
今回の一件は、FIFAの裁定システムの透明性や公平性に改めて疑問を投げかけるものとなった。今後のW杯運営にも影響を及ぼす可能性がある。
なお、ベルギーはCASへの提訴を視野に入れており、法的手続きが継続中。FIFAがどのような最終判断を下すか注目される。
トランプ大統領の電話が実際に決定を変えたのかどうかは不明だが、少なくとも彼の介入が公になったことで、政治とスポーツの距離感が改めて問われている。
バログンはベルギー戦に出場し、試合の行方にも大きな注目が集まっている。米国は開催国として優勝を狙っており、エースの存在は欠かせない。
一方、FIFAは声明で「独立した司法機関による決定」と強調しており、大統領の要請が直接影響したわけではないとの立場を崩していない。
今回の騒動は、W杯の歴史の中でも異例の出来事として記録されるだろう。今後の類似事例に対する先例となる可能性もあり、関係者の動向が注視されている。