
人との会話、読書、映画、街中の広告…。日常の中にある美しい表現に自然と目が奪われる。
バレエやファッションに関わる中で、「どう自分らしく表現するか」ということに、人一倍情熱を傾けてきたからかもしれない。半年に一度、書き留めておいたこれらの言葉をもとに、新作コレクションの指針となるポエムをつくる。
《Verge(ヴァージ)》。2026年秋冬コレクションのポエムのテーマ。「間際」を意味する英語だ。
表現したのはバレエダンサーが舞台に立つ直前の緊張と高揚。パンクファッションの象徴ともいえるレザーのコートやシャープなラインのジャケットに、ブランドの代名詞である透け感のあるレース地「チュール」のモチーフを加える。
異質な素材や形の交差が互いを引き立て合い、今にも放たれようとするエネルギーを感じる。幾左田千佳さんは、バレエで培った感性を生かし、自分にしかできない表現を追求し続けている。