
朝日新聞社が実施したAI(人工知能)に関する全国世論調査の結果、AIが人間を幸せにすると考える層が多数派であることが明らかになった。今回の郵送調査では、性別や年代によってAIに対する意識に顕著な差が見られることが浮き彫りになっている。テクノロジーの急速な進展に対し、国民がどのような期待と不安を抱いているのか、詳細なデータが示された格好だ。
AIは人間をどの程度幸せにするかという問いに対し、「幸せにする」との回答は「大いに」が5%、「ある程度」が60%で、合わせると65%に達した。これに対し、「あまり」の26%と「まったく」の4%を合わせた「幸せにしない」は30%にとどまり、肯定的な意見が否定派を大きく上回る結果となった。この数字は、AI技術が日常生活の中に着実に浸透し、その利便性が広く認知され始めている現状を反映していると言える。
年代別の集計結果に注目すると、30代の意識が最も前向きであり、「幸せにする」は30代で78%と最も高かった。一方で、70歳以上の層ではその割合が52%と最も低くなっており、世代間におけるAIへの期待値の乖離が鮮明になった。現役世代ほど仕事や生活の様々な場面でAIの恩恵を実感しやすく、それが高い支持率に繋がっているものと推察される。
しかし、調査ではAIの普及に伴う懸念点についても重要な示唆がなされている。大雑把にとらえると、AIは人間を幸せにするだろうとされる一方で、「思考力は下がるだろう」と考える層が47%に達した。さらに、AIが人間の知能を上回ることは「脅威だ」と感じる人が78%に及んでおり、技術の進化に対する国民の根強い警戒感が浮き彫りになっている。
ChatGPTが普及し始めた2023年ごろのアンケートでは、AIに対する警戒感が比較的強く表れていた。その点を踏まえると、わずか2〜3年の間に、AIに対する信頼感は大きく変化してきたと言えそうだ。今後は、技術がもたらす利便性と、人間の能力維持や倫理的なリスクという相反する要素をどう調整していくかが、社会全体に問われることになるだろう。
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