
イラン戦争の影響によるガソリン価格の高騰で、多くのロサンゼルス住民が経済的に追い詰められる中、筆者は公共交通機関での移動を体験取材に出た。LAメトロは普段から利用者が減少傾向にあったが、この高騰で再び見直されつつある。
車内に足を踏み入れると、日本とは全く異なる緊張感が漂っていた。乗客同士の視線は交わらず、誰もが警戒した表情を浮かべていた。筆者はロサンゼルス在住歴が長いが、この日は特に異様な空気を感じた。
突然、見知らぬ男性が近づき、手に持ったメモを無理やり手渡してきた。そこには「日本人はここにいるな」と記されたヘイトメッセージだった。筆者は即座に車両を移動したが、心臓の鼓動が収まらなかった。
周囲の乗客は誰も助けに入らず、車掌への通報もなかった。LAメトロのセキュリティは名ばかりで、警官の巡回もほとんど見られない。この無関心と無防備さが、アメリカの公共交通機関の現実を物語っている。
この体験は、日本で当たり前とされる公共マナーや安全基準が、いかに恵まれた環境であるかを痛感させるものだった。ガソリン高騰が続く限り、LA住民はこの緊張感の中で移動を強いられる。