NEC社長が語るAI時代のITサービス変革と勝者の条件

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Mika Nakamura
IT - 18 5月 2026

AI時代と新たな安全保障環境の到来により、ITサービスは根本的な変革を迫られている。NECの森田隆之社長は、2030年度に向けた新中期経営計画の発表会見で、AIによる産業革命と地政学的リスクの高まりがITサービス産業に与える影響を詳細に分析し、勝ち残るための条件を示した。

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AI時代のITサービスはどう変わるのか。この疑問について示唆に富む話を聞いたので、今回はその内容を取り上げたい。その話とは、NECが今後の経営計画を策定した際の基本的な考え方として明らかにしたものだ。同社の森田隆之氏(取締役 代表執行役社長 兼 CEO)の説明を基に紹介する。

「今、われわれの目の前に、AIによる産業革命という、これまでの延長線上ではない新しいフェーズが訪れている。この大きな変化をどう捉え、どう勝ち抜くかが今後のポイントだ」

森田氏は、同社が2026年5月12日に開いた2030年度に向けた新中期経営計画における記者・証券アナリスト向けの発表会見で、こう切り出した。この発表内容において、計画を策定した際の現状認識や基本的な考え方が、AI時代のITサービスの変化を捉えていると感じたので、そのエッセンスを以下に記す。

「世の中はまさにAIの革新と、新たな安全保障環境の到来が世界の秩序を変容させ、脅威と機会が同時に拡大している状況にある」

森田氏は図1を示しながら、今起こりつつある2つのパラダイムシフトについてこう述べた。加えて、「AIによって生活、仕事の在り方、産業構造、社会制度が抜本的に変革する“AIによる社会変革”が進む。これと同時に、世界においては分断化が進展している。こうした中で、日本が米中に次ぐ第三の選択肢になる可能性も出てくる“新たな安全保障環境”にわれわれはいる」との認識を示した。

また、AIの進化に伴う構造的変化として、図2を示しながら次のように述べた。「AIの非連続的進化に関して、資本市場では“アンソロピック・ショック”に象徴されるように、テックサービス企業の将来性を懸念する状況になっている。主要なテックサービス企業の時価総額が年初来で約80兆円消失した。NECもその例外ではない。売上規模では約20兆円に相当する事業機会が失われる可能性があるとの見方も出ている」

資本市場の懸念について、森田氏は「自動化・効率化によるシステム構築の価値の低下」「内製化の拡大による既存のシステムインテグレーターの事業機会の減少」「ベンダースイッチングコストの低下」「AI運用責任の不明瞭化とベンダーリスクの増大」の4つを挙げた。

こうした現状認識のもとで、森田氏は2つのパラダイムシフトにおいて「これから起こること」として次の4つを挙げた。

4つ目の「デジタルインフラの重要性の高まり」については、「経済安全保障の自律性獲得のために必須のデジタルインフラの安全性や信頼性をどう確保するか。さらには、高度化するサイバー攻撃への対処によって社会システム全体を守るサイバーセキュリティの強化がこれまで以上に求められる。これらが、当社にとっては大きな事業機会になると考えている」(森田氏)とのことだ。

同氏は「地政学的緊張の常態化やAIの進化を背景とした経済安全保障市場の定義が拡大する。防衛市場単体で見ても、既に日本において17.2兆円から43.5兆円へと2.5倍に拡大する予定だ。さらに、今後の防衛予算の拡大や民需への転用なども想定される。その過程で安全保障の裾野が広がる可能性は大きい。その要因として、平時と有事の境界の曖昧化や民生と防衛の技術および市場の融合、さらには当社が得意としているデジタルインフラの重要性の高まりなどの動きが挙げられる」と説明した。

3つ目は、3つ目でも触れた「デジタルインフラの重要性の高まり」だ(図6)。

「ITサービスはこれまでコンサルティングやシステム構築、オペレーションの3つの領域において、それぞれのプレイヤーによる個別の事業によって市場が形成されていた。これがAIネイティブ時代においては、AIの実装に関する全ての工程を知る強みを生かした要件設計やシステム構築、そしてそれらを全体として顧客価値につなげるプレイヤーが、これから存在価値を高めると考えている。当社のITサービスもそうした形に進化させたい」

こう説明した森田氏は「AIの進化により、価値の重心は上流のコンサルティングと下流のオペレーションにシフトする」と述べた。

同氏は「現時点でのAI関連市場は半導体やハードウェア製品、データセンターにおけるクラウド基盤といったインフラが注目されているが、過去の技術イノベーションの歴史を踏まえると、今後はアプリケーションやそれを管理するプラットフォーム、さらには新たに生み出されるAIネイティブな社会や産業が大きな市場になるものと考えている。その規模はグローバルで45兆円を超えるであろうAIサービス市場が新たに生まれると見ている」と説明した。

AIサービス市場とは具体的に何を指すのか。同氏は「AI活用によるモダナイゼーション」「AIのためのデータ」「AIプラットフォームの進化」「コア業務のAIエージェント化」「フィジカルAI」を挙げた。その上で、「AI産業革命が本格化すれば、市場での優勝劣敗が鮮明になってくる。NECはその中で勝ち抜いていける企業になりたい」と力を込めた。

同氏は、「ドメインナレッジ」「システムアーキテクチャ」「ファウンデーション」の3つのキーワードを挙げ、「これらを一体として兼ね備え、顧客価値を顕在化できる存在になることが必要だ」と述べた。ちなみにドメインナレッジは特定の業界や専門分野に特化した知識や知見、システムアーキテクチャはシステムの基本構造、ファウンデーションはAIネイティブ時代に価値を生むための基礎を指す(図7)。

その上で、森田氏は「当社は社会実装と新たな安全保障の技術実装、すなわちITサービスと社会インフラ向けの事業を併せ持つことから、これらの相互作用による継続的な進化を強みに成長を遂げたい」と力を込めた(図8)。

以上が、NECが新中期経営計画を策定した際の現状認識と基本的な考え方として、森田氏が説明した内容だ。もちろん同社の立ち位置がベースの話だが、同社と同様にITサービスを手掛けるベンダーや、ITサービスを利用するユーザーにとってもチェックすべきポイントがあったのではないか。

今回の森田氏の説明の中で、筆者があらためて取り上げておきたいのは、図3に示されたAIサービス市場の拡大の話だ。同氏が言うように、今は半導体をはじめとしたハードウェアインフラやLLM(大規模言語モデル)に代表される基盤モデルの話題が注目されている。今後は、アプリケーションやそれを管理するプラットフォーム、さらにはAIネイティブな新市場が創出されるだろう。この点は筆者も全く同感だ。

そうしたインフラの上の層から、AI時代を象徴する新たなブランドがこれから生まれてくると、筆者は予見する。ブランドは信頼と愛着から成り立つ。とりわけ愛着は、多くのユーザーが直接使ってみて実感することから生まれる。その対象となり得るのは、大半がソフトウェアやサービスだろう。また、上の層が厚くなることで下の層のインフラ需要もさらに増大し、それらを取り巻くAIビジネスエコシステムが広がる。

「ITサービス」という言葉も、数年経てば「AIサービス」に入れ替わっているかもしれない。森田氏の話から、そう感じた。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、ITmedia NEWSの記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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