t>

16日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は4営業日続落し、指標の米国産標準油種(WTI)7月渡しが前日比4.70ドル安の1バレル=76.05ドルで取引を終えた。終値としては3月上旬以来約3カ月ぶりの安値で、一時は75ドル台にまで下落する場面があった。
売り注文が続いた背景には、米国とイランの戦闘終結に向けた覚書の合意を受けて、中東からの原油供給が回復するとの観測がある。市場では供給過剰への懸念が強まり、売り圧力が高まった。
ロイター通信によると、覚書は4月に成立した停戦をさらに60日間延長するとともに、事実上封鎖が続いているホルムズ海峡の再開を盛り込んでいる。米政府当局者は合意署名と同時に、イランによる石油販売を認める方針だと説明しており、相場は一段安となった。
もっとも市場では、ホルムズ海峡の通航が正常化するまでには時間がかかるとの見方も残る。実際の復旧作業や検問の調整には数週間から数カ月を要する可能性があり、楽観的な見方は限定的だ。
ホルムズ海峡は世界の石油や液化天然ガス(LNG)供給の大動脈であり、その動向が引き続き相場を左右しそうだ。地政学的リスクの後退が進むかどうかが、今後の価格変動の焦点となる。