
SNS上で「格安」「アクセス抜群」「コスパ最強」といった魅力的な言葉が並ぶ不動産広告が急速に増えている。InstagramのリールやYouTubeの内覧動画で気軽に物件をチェックできる利便性は確かだが、その言葉の裏に根拠がないケースが少なくない。
東洋経済オンラインが報じた初の実態調査によれば、こうしたSNS不動産広告の多くが誇大表現や根拠不明な謳い文句に依存している実態が判明した。特に「格安」と称する物件の実際の価格が周辺相場と大差ない例や、「抜群」という立地評価が実際の駅からの徒歩時間と乖離している事例が多数確認されている。
調査を主導した専門家は「SNS広告は規制の網をすり抜けやすく、表現に法的な縛りが弱い。事業者が意図的に印象操作を行っているケースも見られる」と指摘する。これまで不動産広告は紙媒体やポータルサイトでの掲載が主流だったが、SNSの台頭で事実確認が追いつかないまま情報が拡散している。
国土交通省は景品表示法の観点から監視を強化しているが、SNS特有の高速な情報拡散と広告主の特定困難さが課題となっている。実際に、調査対象広告の約4割が「格安」「抜群」の根拠を明示しておらず、消費者が誤った判断を下すリスクが指摘されている。
最終的に重要なのは、消費者自身がSNS広告を鵜呑みにせず、複数の情報源で価格や立地を検証する姿勢を持つことだ。疑問があれば不動産業者に直接確認するなど、賢い情報収集が不動産取引の失敗を防ぐ鍵となる。