t>

純正オーディオの音質に疑問を持ったオーナーは、プロショップのSOUND WAVEと共にオーディオコンペでの勝利を目標に掲げ、MINIクロスオーバーに徹底的にこだわったシステムを完成させた。ラゲッジ内にはDSPアンプやサブウーファーをフラットに配置し、実用性とパフォーマンスを両立している。
古渡さんがSOUND WAVEを訪れたのは約9年前のことだ。当初の目的は純正オーディオのサウンドに納得できず、より良い音を求めるシンプルなものだった。
プロショップでシステムアップを重ね、さまざまな車両の音を聴くうちに、古渡さんは徐々にカーオーディオの経験値を高めていった。そしてオーディオコンペの楽しさに気づき、目的は「コンペで戦えるクルマ」へと変化した。
「自分が良いと思える音はもちろん追求していきたいんですが、オーディオコンペで勝ちたいという思いがどんどん強くなっていき、システムやユニット選びもコンペでの勝ちを狙った方向性に変化していきました」
その現在の完成形が、MINIクロスオーバーに搭載されたシステムだ。ラゲッジにはDSPアンプ、デジタルプレイヤー、サブウーファーなどをフラットなデザインでインストールしている。
オーナーからのリクエストは「荷物を積めるラゲッジスペースの確保」と「カッコよく仕上げたい」というもの。フラットなラゲッジ面はボディカラーに合わせたレッド×ブラックのコンビで仕上げられ、プロテクションボードを開けた際のインパクトも十分だ。
システムの中心はRESOLUTのDSPアンプ「X12-DSP」だ。16ch DSPと12chパワーアンプを内蔵し、フロントスピーカーの駆動を1台で担うことでシステムを大幅にシンプル化。高いDSP性能も導入の決め手となり、コンペで上位を狙うための重要なユニットとなっている。
かつて古渡さんはマルチアンプによる大規模システムも経験したが、発熱対策などの困難を経て、DSPアンプ中心のシンプルな構成にたどり着いた。ユニット数を抑えつつ高音質を追求することが現在のテーマだ。
デジタルプレイヤーにはAUNEの「GTS3」を採用。ラゲッジ奥のアンプラックに横一列でスマートに収められ、無駄を省いたシンプルなシステム設計を実現している。
さらに低音用としてaudisonのパワーアンプ「AF M4D」を組み込み、2発の低域用ウーファーをドライブ。システム全体を支える力強い低音再生を担っている。
ラゲッジ後方には2発のMorel Elate Carbonシリーズのウーファーをインストール。鮮烈なレッドのバッフル面と組み合わされ、美しいビジュアルを形成している。
プロテクションボードをかぶせれば、純正同様にフラットなラゲッジスペースが完成する。しかし単にボードで覆っているだけではない。
ウーファー部分には音抜け用の開口部を設け、DSPアンプやパワーアンプの上部には放熱を考慮したメッシュ処理を施した。普段使いの状態でも機器の性能を損なわず、安定した音質を楽しめる仕様だ。
実用性を犠牲にせず、オーディオコンペで上位を狙えるシステム作り——これがテーマだ。ユニット選びからシステム構築までを突き詰めた古渡さんのMINIクロスオーバーには、ラゲッジのインストールや各ユニット構成に強いこだわりが込められている。
次回の後編ではフロントスピーカーのチョイスとインストールのこだわりを紹介する。音場の広がりや定位など、コンペで勝つためのテーマに沿って作り込まれたスピーカーインストールを詳しく見ていく。
土田康弘(ライター)はデジタル音声エンジニアを経て出版社編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部を経て独立後、カーオーディオ、クルマ、腕時計など幅広い分野で執筆。カーオーディオ雑誌の編集長も務めた。