
日中関係が再び冷え込む中、中国による日本向け輸出規制の強化が経済界や市民生活に波紋を広げている。半導体材料やレアアースなど戦略物資の輸出管理が厳格化され、日本の製造業は供給網の見直しを迫られている。この動きは、かつて蜜月と呼ばれた経済協力の時代から大きく変化した現状を象徴している。
1990年代から2000年代初頭にかけて、日中経済は相互補完関係にあった。日本は高度な技術と資本を提供し、中国は安価な労働力と巨大な市場を提供した。自動車や電機産業を中心にサプライチェーンが構築され、両国は「Win-Win」の関係を築いたと評価されていた。
しかし、2010年代以降、中国の経済成長と技術革新が加速すると、状況は一変した。中国政府は「中国製造2025」などの産業政策を通じて、半導体、AI、電気自動車など先端分野での自国主導を強めた。これに伴い、日本企業は中国市場での競争激化と技術流出リスクに直面している。
現在、東アジアのサプライチェーン再編が進む中、中国は技術力で主導権を握りつつある。例えば、EV用バッテリーや5G通信規格では中国企業が世界市場を席巻し、日本の部品メーカーは依存度を下げるための多角化を迫られている。一方で、中国の内需拡大やスタートアップの活力は依然として魅力的だ。
日本製造業が選ぶべき道は、単なる撤退や対立ではなく、新たな協力関係の模索にある。具体的には、サプライチェーンのリスク分散と同時に、中国の先端技術を学ぶ姿勢が重要だ。環境技術やデジタル化など共通課題での連携を通じて、両国企業が共存共栄する可能性を探る時期に来ている。