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路線バスや鉄道などの公共交通機関が利用しづらい「交通空白」による経済損失が、全国で年間約10兆円に上るとの試算が9日、コンサルティング会社の公表で明らかになった。家族の通学や通院の送迎が負担となり、働く時間が制限されることで生じる所得低下や、外出控えによる消費の落ち込みなどが影響額として算出された。
交通空白とは、住民の移動手段が乏しい地域を指し、高齢化や人口減少に伴い全国的に拡大している。経済損失の内訳には、送迎に費やす時間労働機会の喪失や、医療・買い物へのアクセス悪化による消費減少が含まれ、地域経済に深刻な打撃を与えている。
政府はこれまで、新たな交通手段の導入や既存路線の再編など集中的な対策を進めてきた。2030年度までの解消を目標に掲げ、自治体や事業者と連携して実現を目指しているが、現状では具体的な成果が見えにくい。
しかし、担い手不足が深刻化しており、目標達成は見通せない状況だ。運転手不足や財政制約が壁となり、特に地方部では持続可能な交通サービスの確保が困難になっている。専門家は「単独の交通政策だけでは限界がある」と指摘する。
政府は今後、観光や医療福祉などの他分野との〝協業〟を強化し、地域交通を支える考えだ。例えば、観光需要を活用したバス運行や、医療機関との連携による送迎サービスなど、分野横断的な取り組みがカギを握るとしている。