
自民党のプロジェクトチーム(PT)は22日、日本国旗を損壊する行為を罰する「日本国国章損壊罪」法案の骨子案をまとめた。高市早苗首相が肝いりで進める政策の一つで、今国会での成立を目指して条文化を急ぐ。与党は参院で過半数に満たない少数与党であり、成立には野党の協力が不可欠となる。
PT内では法案の制定や罰則規定について慎重な意見が根強い。元防衛相の岩屋毅氏は22日、記者団に「国民の内心の自由や表現の自由に関わるテーマだ。まだまだ熟議が必要だ」と述べ、会合で慎重姿勢を主張したことを明らかにした。こうした声を踏まえ、自民は法案条文に「表現の自由などに配慮」する文言を盛り込む方針だ。最終的な違法行為の認定は裁判所の判断に委ねる。
PT座長の松野博一氏は記者団に対し、「将来に対する抑止目的も保護法益としてある」と強調。骨子案が大筋で了承されたことで、法案成立に向けた動きが加速する。少数与党の参院で可決するには、野党の理解と協力が欠かせない。与党は野党との協議を本格化させる方針だ。
野党側の対応は割れている。参政党は既に日本国旗への損壊行為に罰則を設ける刑法改正案を独自に国会提出しており、罰則規定を重視。自民骨子案にも罰則が含まれていることから、自民側から打診があれば協議に応じる方向だ。一方、中道改革連合の小川淳也代表は22日の記者会見で「表現活動や表現の自由を過剰に制約することについては基本的に慎重な立場だ」と表明。国民民主党の榛葉賀津也幹事長も「思想信条の自由や表現の自由と公共の福祉、保護法益の関係を注意深く見なければならない」と指摘した。
今後の焦点は、慎重論を持つ野党をいかに説得するかだ。自民は参政党との連携を軸に、中道改革連合や国民民主党の理解を得られるかが成立の成否を分ける。国会論戦はこれから本格化する。法案成立の行方は、少数与党の政権運営の試金石ともなりそうだ。(末崎慎太郎)