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ハルメクの強みは、雑誌だけに留まらない包括的なコミュニティ設計にある。グループの経営理念は「50代からの女性がよりよく生きることを応援します」で、山岡たちはこれを「ハルメクワールド」と呼び、シニア女性の生活環境全体をより良くする関係人口のコミュニティとして機能させている。
「コンテンツだけで到達できる問題解決は部分的だと思うんです」と山岡は言う。
例えば、髪がぺたんこになる、白髪が悩ましいといった悩みに対して、雑誌が提供できるのはドライヤーの使い方や食生活の情報までで、あとは読者自身の対応に委ねられる。
だがハルメクには通販部門があり、扱う商品の約8割を自社で開発している。「グレイヘアが素敵に見えるヘアカラーを作ってほしい、年齢を重ねた髪の悩みに応えるシャンプーを作ってほしいと、通販側に伝えることで開発を促せます。美容師さんが読者に直接アドバイスする相談会やイベントも開催しています。情報と商品と体験、いろいろな形で『よりよく生きる』を実現させられるようにしているんです」
有料の定期購読誌と通販が連動するビジネスモデルは「通販生活」を連想させるが、ハルメクはあくまでコンテンツを軸とした雑誌である。通販生活が通販主軸のカタログであるのに対し、ハルメクは誌面の情報を核に、”シニア生活を豊かにする”多様な要素を組み合わせて事業全体を構成している。
ハルメクは雑誌と通販サービスを主軸としながら、”どうすれば幸せに暮らせるか”という知恵を分かち合う共同体である。読者はコンテンツを信頼し、通販で購入し、イベントに参加する。これらの事業が連鎖することで、一人ひとりの読者の生活を立体的に支えている。