t>

キオクシア、なぜ今急成長? AIブームを読み解く鍵は「半導体メモリ」と「SSD」にあり

1 minutes reading View : 60
アバター画像
Mika Nakamura
国内 - 03 8月 2026

上場からわずか1年半で株価が公開価格の約70倍に高騰。一時は時価総額が60兆円を突破し、トヨタ自動車を抜いて国内首位に立った――。いま、この驚異的な成長で産業界の注目を集めているのが、半導体メモリ大手のキオクシアホールディングス(HD)だ。

AI需要を追い風に急成長を遂げた同社の勢いは衰えない。2026年4〜6月期の売上収益は約1兆7500億円を見込み、営業利益率は約74%に上る。わずか3カ月で2025年度の通期実績を上回るというのだから、その成長ぶりは並大抵ではない。「2026年度からは、利益拡大が長期的に続く“スーパーサイクル”に入っていく」。河村芳彦副社長は、6月2日の投資家向け説明会でこう宣言した。

だが、キオクシアHD躍進の本質を「AI時代にデータが重要だから」と単純に片付けるわけにはいかない。そもそも「半導体メモリ」とは何なのか。なぜ、同社の技術がこれほどまでに支持されるのか。その背景を紐解くには、同社のルーツと、AIブームの構造変化を理解する必要がある。

キオクシアHDの祖業は、東芝のメモリ事業だ。同社は世界初のNAND型フラッシュメモリを1987年に発明し、IT業界を一変させた立役者である。しかし、東芝の経営難を機に「東芝メモリ」として分社化され、売却の憂き目に。その後はメモリ不況にも見舞われ、長い不遇の時代を強いられた。その同社が、ついにAIブームの“花形”として再び脚光を浴びているのだ。

半導体メモリは、データを記録する装置で、電源を切ってもデータを保持できる「NAND型フラッシュメモリ」と、高速だが電源を切るとデータが消える「DRAM」の2種類に大別される。東芝が開発したNAND型フラッシュメモリは、従来の磁気テープやHDDと比べ、「小型」「高速なデータ伝送」「省電力性」「耐衝撃性」といった特徴を持つ。1990年代にデジタルカメラの記録媒体として採用されたのを皮切りに、携帯音楽プレーヤー、スマートフォン、車載システムへと搭載範囲を広げた。2000年代にはSDカードやSSD(ソリッドステートドライブ)として開発が進み、同社の技術と製品はデジタル社会の基盤を支える存在となった。

転機が訪れたのは、2020年代に入ってからの生成AIブームだ。当初、AI開発企業の関心は、処理速度の速い「メインメモリ」(DRAM)に集中しており、キオクシアHDは“蚊帳の外”にいた。実際、2024年12月の上場時には、株価が公開価格を下回る厳しい結果を強いられている。

しかし、状況は一変する。AIの学習・推論では大量のデータを高速に処理する必要があるが、従来のDRAMのデータ伝送速度では、GPU(画像処理半導体)の計算速度に追いつかないという課題が顕在化。そこで注目されたのが、複数のDRAMチップを積層した次世代メモリ「HBM」(高帯域幅メモリ)だ。これを製造する米Micron Technologyや韓国Samsung Electronicsの株価が急上昇し、AI需要は一時、HBMに集中した。

だが、2025年になると状況はさらに変化する。生成AIブームの主戦場が「学習」から「推論」へとシフトしたのだ。「AIエージェント」や「フィジカルAI」といった、多様なデータを参照しながら自律的に動作するAIが普及し始めた。アウトプットの精度を高める「RAG」(検索拡張生成)や、過去の推論結果を再利用する「KVキャッシュ」などの技術が登場したことで、記録すべきデータ量は飛躍的に増加した。

この膨大なデータを、HBMなどの「GPUメモリ」だけで保持するのは不可能だ。HBMは「データ容量に限界がある」「製造難易度が高く供給が不足しがち」「単価が高い」といった課題を抱え、推論システム拡大のボトルネックになっていたのだ。

この問題を解決し、推論システムをコスト効率よく拡大させる技術として白羽の矢が立ったのが、SSDである。SSDを「GPUの拡張メモリ」や「RAGデータの格納庫」として扱う動きが広がり、AIインフラやデータセンターの需要が、キオクシアHDのSSD製品に殺到した。「ストレージは、GPUとHBMに並んでAIシステムの性能を決定付ける中核となる構成要素だ」と、太田裕雄社長は説明会で強調する。

同社は多様なSSDポートフォリオによって、AI需要を確実に捉えている。高帯域SSD「KIOXIA CMシリーズ」は、KVキャッシュに最適化した大容量モデルで、GPUがSSDに直接アクセスする技術に対応。高性能SSD「KIOXIA GPシリーズ」は、GPUとの直接接続を前提に設計され、AIエージェントによる多段階の推論で増加するデータアクセスの遅延を低減する。さらに、大容量SSD「KIOXIA LCシリーズ」は、AI開発時の大規模データセットや推論結果の保存に役立ち、2025年には245テラバイト(TB)の「KIOXIA LC9」を発表。データセンターの限られたスペースでも記憶容量を大幅に拡張できるため、AIインフラの総保有コスト(TCO)削減にも貢献するという。

「2026年度からは、成長が長期的に続くスーパーサイクルに入っていく」。同社の予言通り、AIインフラの要として、キオクシアHDの存在感は今後さらに増していきそうだ。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、ITmedia NEWSの記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
Share Copied